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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第5話 膠着

 亜孔雀の右拳が「ゴウッ!」という音を立てて仙花の脇腹を狙う!

 だがずば抜けた運動能力に加え身の軽い仙花は、我が身を襲わんとする拳に反応して「ヒラリ」とかわし、宝剣の鳳来極光を悪魔の頭を砕かんと上から振り下ろす!

「ガッ!キィーーーン!!」

 今度は仙花の攻撃を避けることをせず、亜孔雀は腕に着けた「退魔の鎧」の一部で防ぎきった!!

 かに見えたのが、鳳来極光が弾かれることを予測していた仙花は巧みな力加減によりそのまま押し込もうとする!

 無論、身体的な腕力を比べれば、否、比べるまでもないのだが、両者の差は見た目にも、そして実質的にもあまりに歴然としていて仙花の意図に疑問を抱かずにはいられない。

 しかし一瞬で決着がつくものと思われた無謀とも言える力比べは、意外にも数秒の膠着状態を生み出した。

 これは仙花の「火事場のくそ力」的な要素も絡んでのことであったが、膠着状態を生み出した最も主たる要因は、宝剣「鳳来極光」の秘めたる力が解放されたからに他ならない。

 度肝を抜かれた感のある亜孔雀がうねる。

「グググ、よもや貴様のような小娘が我と同等の力があるとはな...」

「カカカ、恐れ入ったか化け物め。じゃが儂の役目はこれで終わりじゃ。決めるのだぞ、雪舟丸よ」

 仙花は言い終えるやいなや、「フッ」と身体の力を抜き、下へ倒れるように亜孔雀の視界から消え去り、彼女の身体があった空間に雪舟丸が浮き出るように飛び込む!

「終わりだ化け物!」

 

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