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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第6話 一閃

「我流!絶命一閃!」

 かつての戦いから鑑みて、雪舟丸が技の名を呼びながら攻撃を繰り出す姿は極稀である。

 そんな男が敢えて単なる上段斬りにわざわざと名を付したのだから、気合いの度合いが半端ないと見て取れよう。

「ザン!!!!」

「ぬぅがぁっ!!??」

 神速の剣が容赦なく振り下ろされ、悪魔の短い断末魔が辺りに響き渡った。

 頭頂部から股間部まで深々と無惨に切り裂かれた亜孔雀の身体が地に倒れた。

 歓喜した仙花が一時的に疲労と激痛を忘れて笑みを浮かべる。

雪舟丸!見事だ!」

 流れるような所作で天叢雲剣を鞘に収め、使命を果たした「居眠り侍」こと雪舟丸が安堵の溜息を一つつく。

「ふぅぅ、流石に疲れた...」

 仙花と雪舟丸は休むことなく、意識を失い倒れる他の四人に声を掛ける。

 最初に起こされのは薬師の九兵衛。

「九兵衛!無事か?」

 仙花に必要以上に身体を揺らされた九兵衛が強制的に目覚めさせられる。

「...おっ、おおおおおお。だ、大丈夫でやんすよ仙花様。も、もう揺さぶるのをやめてくだせぇ」

 あまりの激しさに九兵衛は危うくまた気を失いかけた。

「おっ!そうか。お主の身が大丈夫ならば早く怪我人を見てやってくれ。恐らく皆ぼろぼろじゃ」

 そう言って急いで踵を返した仙花が次に向かったのはくノ一お銀のもと。

 

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