orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

天才にして天災の僕は時に旅人「海パン裏の装置」

「玉手箱と河童の情報…。目的を達成した暁にはありがたくいただきたいと思います」 微妙な褒美に対して微妙に喜んでおく。「ミューには悪いのですが、今後も地上のあなた達との連絡はミューを介して行うつもりです」 それに関しては僕に考えがあった。「女王…

天才にして天災の僕は時に旅人「ご褒美」

「ミュー、あなたは早速この枝豆を病気の者達に渡してください。人間の方々には私からお願いしたいことがあります」「承知しました。病気の者達がさぞ喜ぶ事でしょう」 指示を受けたミューは枝豆を背負って女王の間から出て行った。 女王様がこちらを見て話…

天才にして天災の僕は時に旅人「人魚の女王様」

「みなさん、あちらに見える城にわたし達を統べる女王シーアが待ってますので行きましょう」「はい。でもこの二人の事は女王様に話して無いんですよね?大丈夫でしょうか?」 ミューさんが少し考える素振りをして質問に答える。「きっと大丈夫ですよ。あなた…

天才にして天災の僕は時に旅人「海底都市」

暫く海底を進んでいると底の深そうな海底谷が見えて来た。 その谷に沿って更に深海深く潜って行く。 光の届かない深さはもちろん経験が無く、辺りは真っ暗闇で怖くもあった。 そしてもう一つの懸念が水圧だったのだが、この高性能バブルは水圧をものともしな…

天才にして天災の僕は時に旅人「バブル!バブル!バブル!」

「そうだ!互いに呼びやすいようにわたしの名前を教えておきますね」 そう言えばまだお互い名乗ってさえいなかった。「僕がキキ、こっちが芹奈でこっちが乙葉です」「わたしの名前はミューですよろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いします」 僕…

天才にして天災の僕は時に旅人「ノストラダムスの予言」

「人魚さん撮影許可してくれるかなぁ」 乙葉が呑気な事を言う。 最近になって分かって来たのだけれど、三人の中で一番年長なのに一番子供っぽいような気がする。「乙葉、それだけは絶対に人魚には言わないでくれ」 僕は念には念を押しておいた。 人魚と昨日…

天才にして天災の僕は時に旅人「枝豆」

「海底都市に連れて行く条件として、枝豆を持って来て欲しいんです」 ん!?僕は何か聞き間違えでもしたのか!?「失礼ですけど、今、枝豆とおっしゃいました?」「ええ、枝豆と言いましたけど何か問題でも?」「あ、いえいえ。海底都市に連れてって貰う条件…

天才にして天災の僕は時に旅人「人魚」

「確かに人魚ですがわたしからも質問があります。なぜあなたはわたしにこんな酷い仕打ちをするのですか?」 ごもっとも、確かに人魚からすれば僕の行いは災難でしかないだろう。「怒られるかも知れないけど、単なる好奇心からです。すみませんでした!」 ど…

天才にして天災の僕は時に旅人「困惑」

謎の生物を追いかけていると水面まで出てしまった。 水面を360度見回したがそれらしい生き物は探し切れずにがっかりする。 「見失ってしまったか...気になるなあ。あれは何だったんだろう?」 僕は諦めて一旦岸に戻った。 岸に上がって様子を見ようと二人の…

天才にして天災の僕は時に旅人「有意義な時間」

僕はヘッドホンに仕掛けてあった目覚まし音で目を覚ます。 乙葉と芹奈も目覚め既に起きていた。 テレポートボックスから外に出ると予定通り森の中に転移したようでホッと胸を撫で下ろす。 「海はあっちだけど二人はどうする?」 「キキは先に行ってて、私と…

天才にして天災の僕は時に旅人「沖縄」

「何だよ沖縄に行くって?」「あら、そのままの意味よ。折角の夏休みに思い出の一つでも作らないと損した気分になるじゃない」「僕はテレポートボックスの完成で思い出はいっぱいで溢れているがな」「そうそのテレポートボックスで行こうって言ってるのよ。…

天才にして天災の僕は時に旅人「何の話しだ」

「母さんか父さんのどちらか家に帰り着いてる?」「ええ、たった今わたしは着いたところだけど、お父さんの車は見えないわねぇ。そんなに慌てて何かあったの?」 良かったギリギリ間に合った。「今から小桜を連れて行く。だから少しだけ待ってて」「どういう…

天才にして天災の僕は時に旅人「視聴する」

そのあと録画した実験の様子をテレビ画面に写し出して4人で視聴した。 最初の僕の説明は小っ恥ずかしいので早送りして、テレポートボックスの中に入ったあたりから再生する。 スタートボタンを押したところだろうか、画面にノイズが走り出し何とテレポートボ…

天才にして天災の僕は時に旅人「リターン」

「キキ兄、そこに在るのって...もしかして完成したの?」 中学までは実家で研究していたので、小桜には研究内容をちょっとだけ話していた。「ふっふっふっ、その通り!遂に完成したのだ妹よ!思いっきりリスペクトしてくれていいぞ!」「リスペクトするーっ…

天才にして天災の僕は時に旅人「実験成功!」

よくよく考えればテレポートボックスの中に入ってしまうと実験の説明を録画できないではないか!? そう思った僕は入る前にできるだけ説明する事にした。「これが僕の造ったテレポートボックスという転送マシンだ。この中に入り、設置してあるコンピュータに…

天才にして天災の僕は時に旅人「テレポートボックス」

僕の運命を大きく変えるその日が遂にやって来た。 7年もの歳月をかけて完成したマシンには「どこでもドア」ならぬ「テレポートボックス」と名付けた。 「どこでもドア」と名付けなかった理由について少し説明しよう。 ドアは確かに在るのだけれど、イナバの…

天才にして天災の僕は時に旅人「紹介」

芹奈と一緒にマンションに帰り着いた。 彼女が言うには学校からの方向は下宿先とほぼ同じで、ここから下宿先まで1kmも離れて無いらしい。 マンションに入る音が聴こえたのか、乙葉の部屋から声が聞こえた。「お帰りキキ〜、お昼ご飯をテーブルに用意してある…

天才にして天災の僕は時に旅人「湯川先生」

「おはようキキ君、やっと起きてくれたわね」 赤城芹奈は笑顔だが逆に怖い。「や、やあ赤城さん」「そんな他人行儀な呼び方は辞めてこれからは芹奈と呼んでくれるかしら。小、中、高と同じ学校なんだから友達じゃない?わたしもこれからキキと呼ばせてもらう…

天才にして天災の僕は時に旅人「高校入学の日」

入学式の日の前日の夜、両親が式に出席するためにマンションにやって来た。 ずっと一緒に生活をしていた両親と、3週間とはいえ久々に会うのは何だか不思議と照れる。 妹の小桜はタキお婆ちゃんの家に預けて来たらしい。 乙葉を紹介して挨拶を交わしダイニン…

天才にして天災の僕は時に旅人「新生活」

日付は3月末になった。 瀬々良木乙葉が引越して来る日である。 今日から他人との新しい生活が始まる事に少しドキドキしていた。 実家から引越して一人暮らしの生活に慣れた頃には、また生活に大きな変化が起きてしまうこの状況。 ドキドキしない方が可笑しい…

天才にして天災の僕は時に旅人「引越し」

家に帰り着きドアを開けると父と母がドタバタして出迎えた。「小桜!どこに行ってたの?もう心配したのよ!」 母が妹に駆け寄り抱きしめる。「...お母さんごめんなさい」 妹は両親に心配をかけてしまった事をしっかりと反省しているようだった。「まぁ無事に…

天才にして天災の僕は時に旅人「仲直り」

家の近くで妹が行きそうな場所の見当はおおよそついていた。 僕がまだ小学生だった頃の話だが、たまに小桜と二人で遊びに行っていた小さな池である。 家から子供の足で徒歩15分、ちょっとした林を抜けた先にその池はあった。 到着したが辺りはいっそう暗くな…

天才にして天災の僕は時に旅人「柱間小桜(はしらまこはる)

学校を出て両親の車で家に帰り着く。 購入したマンションは3月から住めるようになっており、早速引越しの準備に取り掛かった。 マンションに持って行く物、家に残す物、捨てる物を振り分ける。 持って行く物の殆どは研究やビジネスに使用する本や器具、関連…

天才にして天災の僕は時に旅人(あかしろせりな)

僕は何を隠そうショートスリーパーでもある。 短時間の睡眠でも生きていけるという特異な体質だ。 故に一日の平均睡眠時間は4時間に満たないが問題ない。 常にやりたい事の多い僕は、この特異な体質のお陰で随分と助かっている。 成長期に睡眠不足では身長が…

天才にして天災の僕は時に旅人「確定する」

彼女の見た目は茶髪で肩くらいまでの長さ、色白の肌で目は大きくクリンとしいて小顔である。 身長は160cmくらいだろうか。 服装は白のブラウスに薄いピンク色のカーディガン、ベージュ色のスカートを履いていた。 SNSで送られた事前情報によると年齢は22歳、…

天才にして天災の僕は時に旅人「瀬々良木乙葉(せせらぎおとは)」

コミックをプレゼントして貰った日から小学校を卒業するまで、「どこでもドア開発計画」に日々時間を費やして取り組んでいたのだが、残念な事にIQ300以上を誇る頭脳を持ってしても殆ど成果が上がらなかった。 それはさておき、ついでなので中学時代のエピソ…

天才にして天災の僕は時に旅人「誕生日プレゼント」

そんな小学生らしからぬ小学生を続けていたら、気付けば10歳の誕生日を迎えていた。 父と母が「誕生日プレゼントは何が良い?」と毎年訊いてくれるのだけれど、僕は「ありがとう、でも気持ちだけで十分だよ」と毎年返す。全くもって子供気ない。 日頃から欲…

天才にして天災の僕は時に旅人「成長する」

僕は父と母の愛に育まれ、それはもうスクスクと成長していった。 と言っても身体的な成長がスクスクとしていた訳では無く、行く行くはIQ300以上になる天才的な頭脳の話だが。 生後3ヶ月が経過して首が据わる頃には、パパ、ママと言葉を発して両親を驚かせ、1…

天才にして天災の僕は時に旅人「大嶽丸(おおたけまる)」

「...ご、ごふ、御婦人、聞こえるかい?」 母の脳内に若い男の声が響き答える。「...聞こえるわ。あなたは誰?」「大嶽丸だよ。妖精の一種さ」 ここで言っても意味は無いが敢えて言わせて貰う。母よ騙されるな!大嶽丸(おおたけまる)は有名な日本の妖怪だ…

天才にして天災の僕は時に旅人「どこでもドア」

プロローグで語った時を少しだけ遡る。 僕はマンションの一室で、ある機器の研究開発に没頭していた。 そのある機器とはドラえもんで言うところの「どこでもドア」である。 プロローグでも述べたが10歳で研究を始め、思春期の青春を全て投げ出し、かれこれ7…