orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

一輪の廃墟好き 第15話 チャーシューメン

ラーメン屋でチャーシューメンを食す時、貴方ならどのタイミングでチャーシューを頬張るだろうか? 真っ先に食べる派、中間で食べる派、最後までとっとく派、満遍なく食べる派、そもそも頼まない派、などなど選択肢は多数あるけれど、結局のところ人によって…

一輪の廃墟好き 第14話 探偵の習性

普段は外で食事をする際は、注文を済ませ料理が届くまでの隙間時間はスマホをで使って費やす。 だが折角遠方まで足を運んだのだから「一期一会」を大事にし、出来る限りこのラーメン屋のことを記憶に留めようと、僕はキョロキョロして店主に不快感を与えぬよ…

一輪の廃墟好き 第13話 昭和なラーメン屋

今更云うのもなんだけれど、今夜僕達の泊まる民宿むらやどは、村の中心部を横断する安楽川(やすらがわ)沿いに建っている。 僕が未桜へ知らせるため指差したラーメン屋は、民宿むらやどを左手に見て、村で唯一アスファルト舗装されている道路を真っ直ぐに一…

一輪の廃墟好き 第12話 言葉遣い

「おい未桜、事務所で見せたご自慢の紅白ジャージになぜ着替えない?」 「別にご自慢じゃなきけれど、流石は一輪!良いところに気づいたね~♪褒めてつかわす。実はぁ、さっきジャージを取り出そうとリュックを開いたらぁ、寝巻きがないことに気づいちゃった…

一輪の廃墟好き 第11話 い草の香り

歳よりが上るには明らかにきついであろう急勾配な階段を、老婆はなぜか壁に設置された手摺を使うことなく上っていく。 若い僕達ですら手摺に掴まらなければきついというのに。 足腰にガタがきている年齢だと思うのだが...やはり遅い... 気の遠くなるほどの不…

一輪の廃墟好き 第10話 亀の如く

「ふぅ、三時間ぶっ通しの運転は流石に堪えるな」 程なくして村の中心部の片隅に在る民宿むらやどの駐車場に辿り着き、僕はホッとした気持ちでシートベルトを外し一息ついた。 「すっごーーーい!ほぼ完全木造の古民家!歴史を感じちゃうなぁ...」 車の窓を…

一輪の廃墟好き 第9話 スマホ

探偵事務所としての予算の関係上、民宿「むらやど」で予約したのは一部屋だ。 僕の信用性や沽券に関わることなので断っておくが、未桜への下心があって一部屋しかとらなかったわけでは断じてない。 折角の機会なので付け加えておくと、未桜を異性として意識…

一輪の廃墟好き 第8話 唯一無二の民宿

何ゆえ僕が彼女とのエピソードを引っ張り出しぶっ込んだのか? 別に彼女との甘酸っぱい思い出話しをしたかったわけではなく、単に車の車内空間とは凝縮された密室であり、場合によっては地獄の如き空間となってしまうということを伝えたかっただけに他ならな…

一輪の廃墟好き 第7話 車内の罠

話しが交錯、いや、まちまちで些か申し訳ない気持ちもあるれど、貴方は彼女、若しくは彼氏との交際期間が短いうちに車でドライブへ出かけ、狭い密室となる車内で会話に困った経験は無いだろうか? 問いを出しておいて出題者が即答するのもなんだが少なくとも…

一輪の廃墟好き 第6話 井伊影村の豆苗神社

さて、まだ話していなかったが今回の廃墟探索の目的地は「井伊影村」という村だ。 事務所から車で約3時間以上はかかろうかという僻地にあり、元々の数も少なかったらしいが現在の人口は150人を割るほどの過疎地でもある。 田舎を絵に描いたような「井伊影村…

一輪の廃墟好き 第5話 フィガロ

僕は微糖のホットコーヒーを注いだコーヒーカップを口に運び、一口含み喉を通した後で未桜の質問に答える。 「その通りだが...未桜、しっかりと準備はして来たのか?今日探索する廃墟は森の中だぞ」 現在の季節は桜らの咲き誇った春。 パッと未桜を見て、い…

一輪の廃墟好き 第4話 若かりし頃

「おはよ~」 鈴村未桜は朝っぱらからハイテンションな挨拶をしてくるが、僕は敢えてテンションを合さず若干トーンを落として挨拶を返す。 だからといって彼女の元気すぎる挨拶が嫌いなわけではない。どちらかといえばハツラツとした彼女から元気をもらって…

一輪の廃墟好き 第3話 鈴村未桜(すずむらみお)

とりたてて二度も云うことではないかもしれないが、僕は探偵を仕事にして生きている。それも「雇われ探偵」ではなく個人事業主としてだ。 二度も探偵だと云った手前、さぞ探偵稼業を一所懸命に頑張っているものと想像される可能性はあるかもだけれど、実際は…

一輪の廃墟好き 第2話 住まいは廃墟

などと慎ましく感傷に浸ってみる。 いやいや、「感傷に浸る」という言葉を何気に調べてみれば、なんと「物に感じて心を傷めること」とあるではないか。 自負していた頭脳明晰が聞いて呆れるは!!! と一人ツッコミを軽く済ませたところで少しばかり落ち着い…

一輪の廃墟好き 第1話 荒木咲一輪(あらきざきいちりん)

『廃墟』とは建物、施設、街などが使用されずに荒れ果て、そのまま放置されているものをいう。 一言で『廃墟』といっても形態は多種多様で、人が生活の拠点としていた一軒家、複数の世帯が住んでいた集合住宅、病人が訪れる病院や、人が動物的本性を曝け出す…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ113 仙女覚醒編完結

亜孔雀が退魔の鎧を奪い地雷蚓と共に魔界へ去ったあと、真如の脳に融合していた霊蟲は所有者が別世界へ移動したことにより消滅し、洗脳され操作されていた真如の意識は霊蟲から解放された。 真如自身の意識が戻ったのは良かったけれど、彼女の脳には、亜孔雀…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ112 失われた意識と記憶

「このお方は...真如殿か?」 足下のあられも無い姿でうつ伏せに横たわる真如へ視線を落とし、怪訝な表情をして夜倶盧はうっそりと呟いた... 間も無く仙王警備隊隊長の夜倶盧の部下達が二人の側へ集結し、部下の一人が真如の裸体に羽衣を被せてやった。 「夜…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ111 奪われる

亜孔雀が利き腕の右腕を前に突き出し、掌を空の方へ向けクイっと引き上げると。 「ズゥオオオオオオッ!!!!」 「なっ!?」 夜倶盧の立つ真下の地が円形をした漆黒に変わった直後、そこから魔力の霧が彼をすっぽりと覆い隠すように立ち込めた! 「おっお…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ111 魔皇悪来

「ふん!纏めてかかって来ても良かったのだがな。まぁいい、まずは貴様を血祭りに上げてから残りの部下どもを葬ってやる」 「ん〜、そんな簡単に僕は倒せないと思うよ。自分の強さに自信が無ければこの状況で一騎討ちなんかしないでしょうに?」 と、夜倶盧…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ109 一騎打ち

「...不味ったか...」 「ん!?おっと〜!遂に盗人悪魔君の口から弱気発言いただきました〜!無駄な抵抗をしてくれた方が楽しめちゃうけれど、止めにして観念しちゃうのもありっちゃ〜ありだよ〜」 亜孔雀は誰にも聴こえぬ音量で呟いたつもりであったが、夜…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ108 仙姿玉質

「..............貴様....」 連続して二度までも奇襲をかわされた亜孔雀が、何か言おうとしていた口を塞いだ。 夜倶盧の素早い判断力と身のこなしに驚愕していたこともあったが、先に夜倶盧が放っていた緊急信号を目にした部下達が集まり、亜孔雀、夜倶盧、…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ107 暗黒繋縛(あんこくけいばく)

物語を気長に長く話していれば、仙人の誰かが実際に仙器を造る逸話もいつかは語れようというもの... ゆえに、わたくし語り手が本筋を忘れてしまうという大失態を放つ前に話しを元へと戻そう。 さてさて確かたしかぁ... 亜孔雀の霊蟲によって操られている哀れ…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ106 神禅塔

どうでも良い戯れはほどほどにして、「仙器」について少しだけ話しておこう。 仙人専用の武器、略して「仙器」と呼ばれているわけだが、これは人間の世界でいうところの何処かの鍛冶屋が汗水流して刀を造る、という努力を重ねた人造的な物では無い。 どちら…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ105 語り手の戯れ

物語を進めたいのは山々なのだけれど、ここまで登場した数種の仙器と呼ばれれる仙人達の武具について語らせていただこう。 などと突拍子も無く云い出したものの、果たして何処から語れば良いものか... 寝不足かつ焼酎に含まれるアルコールが回りに回った頭で…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ104 覚えのある

などと隊長の夜倶盧がナルシスト云々話しはさておき。 亜孔雀が退魔の鎧を鎖で巻いた理由は云わずもがな、悪魔が素肌で触れようものならたちまちどうなるのやら。 無言で無言でそっぽを向き、立ち去ろうとする亜孔雀であった。が、これでは格好がつかぬとば…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ103 前人未到のナルシスト

「..............」 退魔の鎧を素っ裸に直接纏う真如は黙して微動だにしない。 霊蟲の能力によって洗脳された彼女が己の意志で質問に答えること決してない。自由に思考することが出来ず、自我も失っているのだから当然といえば当然であろう... 「ちょっと触…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ102 隊長、夜倶盧(やくる)

その答えは、仙人界でも唯一無二の特殊仙術、彼女の所有する仙器「透過元杖(とうかげんじょう)をもって発動させる「透明深化」にあった。 一度「透明深化」を発動すれば当人の身体は完全に透明化し、彼女の姿は着用する衣服を除き他者の目に映らなくなるの…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ101 英雄

魔界三大魔王の一人である羅賦麻が、リスクが高いことを承知の上で息子の亜孔雀を仙人界へ忍ばせた狙いとは一体何なのか? それはこの世に一つしか存在しない「退魔の鎧」を奪取することであった。 退魔の鎧とはその名の通り、魔力を退ける特殊な仙力が凝縮…