orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

やしあか動物園の妖しい日常 20〜21話

[幻の蛇 ツチノコ] 出勤二日目の朝は何事も無く事務所に着いた。 事務所のドアを開けると、既に何人かがデスクで仕事を始めている。 タイムカードを押して朝の挨拶を交わし、ロッカールームで作業服に着替えて自分のデスクに行くと、隣の席の久慈さんも仕…

やしあか動物園の妖しい日常 18〜19話

[わたしの家族] 「ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!」 昨日の朝は、電池切れで役目を果たさなかった目覚まし時計の音が鳴り響く。 電池交換を忘れるようなヘマもせず、今朝はしっかりと仕事をしてくれた。 ふかふかベッドの上で目を覚まし、起きようとする…

やしあか動物園の妖しい日常 16〜17話

[リベンジ成功!] 「料理長は鳴釜(なりかま)のナカさんという妖怪なんだ。人間社会の三つ星レストランで腕を磨いて、あんなに美味しい料理を作れるようになったらしいよ」 三つ星レストランの何店かは両親に連れて行ってもらい、食事をしたことがあった…

やしあか動物園の妖しい日常 14〜15話

[双子の猫娘] 「そっか、ごめんごめん。僕の考えが浅はかだった。人間社会で魔法なんか使って見つかったら、日本中の話題になって普通に暮らせなくなるよね」 「理解して貰えたみたいで良かったです」 今朝の通勤もホウキで飛んで来れたらどんなに楽だった…

やしあか動物園の妖しい日常 12〜13話

[妖怪たちの自己紹介] 「次はわたしの番じゃのう」 目の前でモン爺さんが倒れているのを助けもせず、一番近くに居た腰の折れ曲がったお婆さんが唐突に自己紹介を始める。 「わたしゃ白粉婆(おしろいばばあ)のトメじゃ。顔が白いだけで何も出来んがよろし…

やしあか動物園の妖しい日常 10〜11話

[飛縁魔(ひのえんま)のリンさん] 動物たちを相手にする稀有でハードな仕事の上、妖怪たちと共に働かなければならないという現実的で無い世界。 「...やっぱり妖怪たちが原因ですか?」 園長から最初に説明を受けて腰が引けるのが当たり前だし、辞めたい…

やしあか動物園の妖しい日常「ベンチでの休憩」

「折角だから少し休憩しようか」 「待ってましたよその言葉!ありがとうございます。もう朝から心臓に悪い出来事の連発で参ってしまいました」 久慈さんもベンチに座り二人並んで休憩しながら会話する。 「黒川さんの妖怪に驚く姿を見ていると3年前の自分を…

やしあか動物園の妖しい日常「さとりの兎」

「あっちはロバの柵ね。全部普通の動物で妖怪は残念ながら居ないんだ」 ん!?久慈さんは妖怪の存在に慣れて麻痺しているのだろうか? 「居ないのが普通だと思うんですけど」 「ハハハ、黒川さんもこの動物園に慣れてしまえば、きっと他の動物園が物足りなく…

やしあか動物園の妖しい日常 5〜7話

[家畜系の担当] 何にしても自分の情報だけ筒抜けなのは気分が悪いな。 「失礼かも知れないですが、久慈さんも何かしらの事情持ちの人なんですか?わたしは「君が魔女だから採用した」って園長に言われたんですよね」 「僕が採用された理由ね…まぁ、簡単に…

やしあか動物園の妖しい日常 2〜4話

[衝撃の事実] 園長が前のめりになって頬杖をつき薄笑いを浮かべた。 なんだ、この人も別の表情ができるのね… 「隠しても無駄です。面接で初めて黒川さんに会った時から分かってました。というか君が魔女だからこそ採用したんですよ」 「え!?………」 魔女だ…

やしあか動物園の妖しい日常「記念すべき初出勤」

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」 早朝の気持ち良い時間帯だというのに、わたしは必死になり坂道を走っていた。 会社への社会人として記念すべき初出勤当日に、あろうことか寝坊してしまったのである。 寝坊の理由は有りがちな目覚まし時計の電池切れ。 目覚まし…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト 「第一章最終話」

皮の鎧が魔法の光に包まれ身体にフィットするまで縮まった。 初めて魔法を見たカミュが驚きの表情を浮かべている。 「これでOKでしょ。お代は1,000ギラにまけておくわ」 「本当にそれだけで良いんですか?ありがとうございますマリムさん!」 防具屋でサイズ…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト「魔女の魔法」

生まれ育った村キャメルで助けてくれたエヴェルは、両腕に剣を持ちモンスターと闘っていた事を思い出す。 エヴェルのような勇者を目指すなら形から入ろうとカミュは決めた。 剣を探して店内を見渡すと、鉄の剣が目に留まったが値札に10万ギラと書いてあり断…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト「武器の選択」

カミュは他に手頃な価格の防具が無いかと、店内を一通り探してみたのだが、皮の鎧より安い防具は残念ながら無かった。 諦めて皮の鎧を試着してみたのだけれどサイズが合わない。 「あの、これより小さいサイズの物ってないですよね?」 13歳で成長期にあるカ…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト「カミュの買い物」

カミュはマリムから10万ギラを受け取り、レコと一緒に家を出て買い物に出掛けた。 レコは人間の姿になりカミュと並んで大通りを歩く。 「最初はボクが良く利用する店を紹介するよ。マリムの行きつけの店の服は高級で手が出ないからね」 「僕は服にこだわりが…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト「朝食の準備」

食事が終わりカミュが後片付けまで済ますと、マリムが二階の部屋へ案内する。 「ここを使っていいわ。あ、因みに二階の他の部屋は出入り禁止だから」 「出入り禁止ですね。了解です!」 ランプに火を灯して部屋を眺めると、ベッドと箪笥が一つずつ置いてある…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト「五大英雄」

「ふぅん、あいつの言いそうな事ね...」 「そんなエヴェルさんの姿に心打たれて、人助けの出来る勇者に絶対なろうと決めたんです」 「なるほどね...でも、君はご両親が亡くなってからどうやって暮らして来たの?」 「僕には両親の他には身寄りがなかったので…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト 5〜8話

[マリムの出迎え] 「......................」 マリムの姿を見たカミュは暫く言葉が出て来なかった。 相談に行った時のマリムの言動の印象からして、彼女がこの場に居ることが信じられなかったからである。 「君!人がわざわざ出向いて訊いてるのよ。早く…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト 2〜4話

[ギルド「エスカイア」] マリムの家はレンガ造りの2階建てになっており、セラピストの仕事には1階の部屋を使っている。 1階には仕事部屋とは別にキッチンとバスルームがり、2階は寝室の他に3部屋あるが一部屋は物置になっていた。 そんなちょっと古め…

究極の魔女はダンジョン系セラピスト

「32階層にメタル系のチュアプって云う体のプヨプヨしたモンスターが居るわ。そいつを倒しまくってレベルを上げれば暫く冒険が楽になるわよ」 「ありがとうございます!メタル系のチュアプですね。早速明日にでもパーティメンバーと狩りまくってみます!」 …

少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語 11〜13話

[ペット!?] 手負いとなった雷獣にタマが走り高く跳んだ! 「おりゃー!とどめだ喰らえーーっ!」 その攻撃が雷獣の頭に届かんとする直前! 「どわっ!?」 横からいきなり飛んで来たキムラに抱き抱えられていた!? タマを抱き抱えたままキムラがフワッ…

少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語

[白狐のキムラ」 「よし、二人とも!事が起こる前に一旦ここを離れよう!」 「シャーーーッ!」 ...早すぎだタマ。 僕が言う前に事は起きていたようで、既にハクビシンとタマが睨み合っていた。 !?今気づいたが、ハクビシンの姿は僕の目で見てもムギの言…

少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語「檻の中の雷獣(らいじゅう)

予想通りタマがハマってしまい、30分もかけてトラを観ることになってしまった。 「タマ~。ムギの観たいハクビシンまでまだ何種類も動物がいるんだ。トラはまたにしてそろそろ移動するぞ」 「仕方ないなー、わかったよ」 ムギに配慮したのかタマは意外にもす…

少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語 5〜6話

[あやかし] 砂かけばばあの迷惑行為による砂の片付けを終えてからムギに訊いた。 「ムギ、昼間に現れた白いスーツ姿の男は何て妖怪か知ってるのか?」 ムギがこめかみの位置に指を当てて答える。 「ん〜、たぶん妖狐の一種で白狐(びゃっこ)っていう妖怪…

少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語 2〜4話

[母は強し?] 次の日の朝、キッチンで僕が食パンを食べ、タマとムギがキャットフードを食べているところへ、母が病院から帰って来た。 母がキッチンまで入って来て僕たちに気付く。 「良かった、ちゃんと朝ご飯食べてたのね」 どうやら僕たちの朝ご飯を心…

少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語

普通じゃない家庭で育ち普通じゃない僕は、今年の春から高校一年になる新村天馬(しんむらてんま)。 「普通じゃない」という言葉にはちゃんとした理由があるのだが、まずは手っ取り早く自分の説明からしておこう。 僕は生まれながらにして超能力が使えるエ…

天才にして天災の僕は時に旅人「第一部最終話」

女王様の言う通り、モディさんからエキスを摂りだす画を想像してみたけれど、拷問のようなシーンしか頭には浮かばなかった。「話はこれくらいにして、あなた方に褒美を渡さなければなりませんね」「あ、ああ。そうでしたね」 僕は微妙な内容の褒美だったため…

天才にして天災の僕は時に旅人「デレデレ」

僕はミューさんに説明する前に女王様へ目配せする。 女王様は無言で頷き、ミューさんに説明する了解を得た。「この人はコペンハーゲンの海に棲んでいた男の人魚のモディさんです。海底都市の窮地を救うために来てもらいました」「お、男の人魚ですか!?…」 …

天才にして天災の僕は時に旅人「選択肢なし」

「モディさんの棲んでる海底都市に連れて行ってもらえませんか?」 僕の言ったお願いに表情の曇ったモディさんが応える。「もうこの海底谷の海底都市には他の人魚は居ないんだ」「え!?」「50年くらい前まで男の人魚が多く居たんだけど、ある日突然病気が流…

天才にして天災の僕は時に旅人「男の人魚のモディさん」

どれくらいの時間が経っただろうか?たった二人でやる海中でのクイズ大会に僕は飽きていた。 と言うか終わりにしたかったと言うのが本音である。 何故なら芹奈の出す問題は僕がすぐ解答し、僕の出す問題に芹奈が悪戦苦闘するというラリーが続いた結果、彼女…