orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第230話 益虫

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第229話 益虫 お銀の身体にまとわり絡みつき自由をほぼ完全に奪っているのは、壁から生えているかのように見える無数の巨大なミミズであった。 ミミズといえば土を食べ、そこに含まれる有機物や微生物、小動物を消化…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第229話 危機

と、仙花が相槌を打った刹那! 居眠りしていたかに見えた雪舟丸が「カッ!」眼を開け! 「上だっ!!」 お銀と仙花が雪舟丸の一言に反応し、部屋の天井に素早く目線を移す! 「バリバリッ!バリバリッ!!」 突如としてけたたましい音を立て天井の板を突き破…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第228話 洞察

はてさてはてさて。 思い返さずとも随分とまぁ物語ることを止めてしまった語り手の私めにございますけれど、無論、語ることを永久に止めてしまったわけではなく、それなりに事情があってのことでございますれば、特段の説明をする必要性も無くは無いが、やは…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第227話 大工

仙花が宿屋でゆるりとできることにご満悦のところで、建築について、というか建物の建築において必要不可欠な大工について少しばかり語ろうではないか。 かつては一般の木造建築の職人を「右官」と呼んでいたが、江戸時代頃から一般の職人も大工と呼び、統率…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第226話 劣化

腹を空かせ疲労の溜まる仙花一味が、宿屋を一人で切り盛りする女である淀に案内された部屋は、襖を初めとした腰掛けなどの備品の劣化が激しく、まるで部屋の中を台風が通り過ぎたかのように酷い有り様であった。 部屋はちゃぶ台に立てられた二本のか細いロウ…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第225話 辞儀

「では今より御食事のご用意をさせていただきますが、ご存知の通り、この宿は私一人で切り盛りしておりますゆえ多少のお時間をいただきとうございます。手が行き届かず汚い部屋にございますが、食事の準備が整うまでごゆるりとお過ごしくださいませ」 淀が丁…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第224話 体重

お銀が宿屋の女の涙を拭ってやったあと、その優しさを感じたのか、宿屋の女は落ち着きを取り戻し仙花一味に名乗った。 宿屋の女の名は杉村淀(すぎむらよど)といい、年齢は二十代半ばといったところである。 彼女は仙花一味の希望通り宿屋に一泊させること…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 だい

良くも悪くも自己の習慣には気をつけるべし。 文字数の縮小化は飛ぶ鳥を落とせない勢いで激しく進みつつも、2年半という長い間、1日足りとも休まずに語ってきた語り部こと私でございますが、ここ二、三日は文字を打ち込む、否、語ることを完全停止しておりま…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第222話

さて、物語を度々中断させてしまう私こと「語手」でございますが、本日を振り返ってみれば「時間の無駄遣い」をしたが故にこの顛末。 人間に限らず全ての生命にとって時間というものは「有限」にございますれば、貴重な時間を無駄に使った私めを恨みつつ眠り…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第221話 お銀

くノ一であるお銀はその職業柄か、生きた人間に対して冷静に拷問や殺しなどの残虐行為をやってのけるわけだが、決して心無い冷血冷凍人間ではない。 まぁ、この一味の中では飛び抜けて冷たくはあるけれど、それは己への厳しさに徹した結果の裏返しのようなも…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第220話 遠慮

仙花の物言いは側から聞けば傲慢そのものでしかなかったけれど、若いゆえの未熟さを彼女の容姿と清々しいほどに堂々とした振る舞いによって、言われた当の本人である希枝は全く意に介さぬ具合である。 「...承知しました」 「して、この宿にはお主しかおらぬ…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第219話 途端

目の前に現れた、否、やっとその顔を拝むことができた宿屋の女の顔は、長い髪を結いもせず放置している状態で薄汚れ、通常時なら明らかに美顔であろう顔面は酷くやつれていた。 仙花達が不始末村に足を踏みれた途端に怪異の群れが現れ襲いかかってきたことか…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第217話 視線

仙花が「おんぼろ」を絵に描いたようなのれんを右腕で払い、入り口の戸を開け中に入る。 宿の中に入ったは良いが、受付をする人間は当然の如くおらず、物音一つしない空間は人の気配をを全く感じさせない。 我慢の効かない仙花刀姫in 世直し道中ひざくりげ …

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第216話 宿屋

お銀だけに限らず、体格は良いが警戒心は希薄である蓮左衛門は寝不足ではなかったものの、最近はまともな食事にありついいていなかったため大いに腹を空かせていたものである。 「最近はとんと肉や魚を食しておらぬゆえいまいち力が篭らんでござる。久しく集…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第215話 疲労

歩きながらでも疲労を回復するほどの十分な睡眠が摂れる居眠り侍の雪舟丸は別として、仙花をはじめとした他の四名は若干の睡眠不足だった。 その要因としては、目指す薩摩の国へ少しでも早く到着したいという仙花の願望から、より最短距離な道を選択した結果…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第214話 限界

そして仙花が女子を凝視していて自然に瞼を閉じ開けた瞬間、もはや見張り台に女子の姿は無く忽然と消えてしまった。 「...ふむ、とてつもなく素早い奴なのか、はたまた何かしらの能力なのかは分からぬが女子が一瞬で消えてしまったわい」 呟くように話す仙花…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第213話 表情

よって仙花には確実に見えていた見張りニヤリと笑いおったぞ台の天辺に佇む少女の姿を、他の四人は確認出来なかったわけである。 「そうか、お主らには見えておらんのか...じゃが恐らくあの少女には儂らの姿が見えておるわい。ん!?今確かに笑いおったぞ!…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第212話 格段

「人間から仙人へと覚醒した」という稀有な事象は、五感しか持たない常人があることをきっかけに第六感を持ったり、どこかの宇宙人がスーパーなんたらになったと云えばわかりやすいだろう。 兎にも角にも仙人に覚醒した者は己の身体的能力などが格段に上がっ…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第211話 AI

あれれ?この仙花のくだり、似たような内容の話を語ったようなそうでもないような... 「人の記憶は儚いもの」などという言葉はなかなかどうしてよく聞くもので、こと現代においては、映画「ターミネーター」や「マトリックス」における世界の征服者である「…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第210話 飛躍

「あっしには全くもって見えねぇでやんす」 「拙者にも見えぬ...」 「同じくでござる。仙花様にはあの天辺に人が、それも女子が見えるのでござるか?」 驚きの表情をする蓮左衛門の問いにも、やはり1ミリ首を動かすことなく仙花が答える。 「ああ。儂にはク…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第209話 確認

九兵衛が前のめりに倒れそうになりながらも「グッ」と堪えていると。 仙花は身近のややしょうもないやり取りに興味を失ったのか、不始末村の中央に位置する民家の四五倍はあろうかという見張り台の天辺をジッと眺めていた。 軽くではあったが一仕事を終え、…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第208話 指導

黙って傍観していた蓮左衛門がたまらず割って入る。 「まぁまぁお銀殿。九兵衛は旅を始める前は薬師の仕事しかしてこなかった普通の平穏な人間にござるよ。我らのように武芸を習った経験も無いし喧嘩の一つもしたことの無かった男。それに比べれば今の九兵衛…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第207話 承知

今回のお銀はどうやら至極本気らしくく、表情がより険しくなり、九兵衛の目には般若の如く映っていたかもしない。 「お、お銀さんの言いたいことは重々承知しておりやす。ですがあっしは元より生粋の薬師でやんすからにはことの他戦にはむかねぇ気質でして、…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 外伝?

気付けばこちらの「世直し道中ひざくりげ」第3部も10万文字を突破致しました。 一つの物語で合計30万文字という苦行?を成し遂げました。 期間が長くなってしまったことはさておき、我が人生においてここまで毎日投稿を成し遂げた自分に対し、少しばかり褒め…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第206話 雨雲

九兵衛はお銀の冷たい視線と言葉を受け大いに落ち込んだ。 まるで彼の頭上にだけ灰色の雨雲が現れ、どんよりとした雰囲気を隠すことなく表に浮き出している。 そんな彼を見た仙花が居た堪れなくなったのか珍しくフォローを入れる。 「ま、まぁ良いではないか…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第205話 威力

だがしかし、正当性のあるような九兵衛の行動と自己弁明を「それでよし」としないお銀が責める。 「まったく男の癖に情け無い...腕試しするには絶好の機会をみすみす逃してしまうとはねぇ...あんたがこの先ずっと誰かに守ってもらえると勘違いしちゃぁいけな…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第204話 怒涛

「いやぁ...すいやせん。みなさんの活躍振りときたら『一騎当千』を彷彿させるものでして、臆病者のあっしなんぞがしゃしゃり出ては足手纏いにしかならぬと思い、邪魔にならぬよう岩陰に隠れておりやした次第で...」 確かに今回の戦闘においては怪異の群れに…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第203話 岩陰

不始末村の無駄に広い道を埋め尽くさんばかりに居た怪異の群れのほとんどが砕け、この世からかき消されたのだが、恐らくは等級の高い者であろう怪異は、肉体を残したまま道にその死骸を残した。 ともあれ、たった五人である仙花一味は、十倍以上の数であった…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第202話 所作

などとどうでも良い?ことをしょうもなく云っている間に、雪舟丸は怪異との距離を一気に縮め、退魔の剣を空気を切り裂かんばかりに鋭く速い攻撃により、あっという間に十体前後の怪異の命を砕いていった。 彼の剣技にはこれといった型はない。 世に存在する…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第201話 退魔

雪舟丸が手にする「退魔の剣」なるものは、切れ味こそ「斬鉄剣」や「妖刀村正」に劣るものの、仙花の仙術である「退魔の波動」と同様に怪異や魔族に対する特効力を秘めている。 過去に一度説明したかも知れないけれど、この「退魔の剣」は三種の神器の一つで…