orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

僕達の世界線は永遠に変わらない[呑もうぜ!]

「俺たちが結月ちゃんの横に車を止めて話を訊くと、住宅街で三日ほどご両親を探し回っているという事だった」 僕が結月に目を向けると「そうよ」という意味を込めた頷きをして飛鳥井さんに話しかける。 「両親の件については後でわたしから個人的に話します…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![第一部最終話]

サッと人力車に乗り込むと、伊達さんが不気味な笑みを浮かべて言う。 「お嬢様、今日は時間が無いんで飛ばしますよ~。へへへ、しっかり掴まっててくださいね!」 「だ、伊達さっ!?どわっ!?」 わたしが「ほどほどに」といい終える前に、「ドヒュン!」と…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![バタバタと]

寝坊するという失態があったものの、師匠とお祖父様のお陰で門下生への指導も無事に終わった。 今は12時を少し回ったところ。 千歳との待ち合わせは午後2時に学校前でということになっている。 わたしは急いで部屋へ戻り、汗を拭いて着替えながらふと考えた…

僕達の世界線は永遠に変わらない[正義の医師]

「その総合病院の待ち合い室には十数人の患者が座っていたかな、みんな揃って元気の無い顔をしていたよ。そんな人達に悪いと思いながらも、俺達は受付けのお姉さんに美琴を急いで診て欲しいと頼んだんだが、順番を待ってくれの一点張りでダメだった」 ここで…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![剣術の指導]

場面は飛んで、樹様の道場へ行く初めての日の朝を迎える。 「ふぁ~...よく眠れたなぁ」 布団の上で身体を起こし、掛け時計に寝ぼけた眼を向けると10時を少し回っていた。 「なにっ!?もうこんな時間なの!?」 毎週日曜の朝は、10時から2時間ほど門下生へ…

僕達の世界線は永遠に変わらない [自身の生死を決めるのは]

聞いた直後に柴門さんが眉を顰め、右の手の平を天井に向けて差し出す。 「いやいや、八神さん。それは良くないな。はい、出して」 「......................」 八神さんがその手の平を暫くのあいだ黙って睨みつけ、場の空気がピキンと音を立てるかのように凍…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![恋する乙女]

神楽坂先生と女学生らの全員が教室へ戻ったのは丁度お昼休みの頃である。 あんな事件の後だから女学生達の食欲も無く...と思いきやそんな事は無く、いつもと変わらぬ光景が展開されていた。 わたしと千歳もいつもと変わらず二人でお弁当を食べていると、神楽…

僕達の世界線は永遠に変わらない[人間狩りをする人間]

「匡、結月ちゃんと俺の自己紹介は端折るぞ」 「あっ、はい。結月のことは昔から知ってるし、飛鳥井さんとも昼間に話しを聞いて理解してるつもりなので大丈夫です」 「オーケー。では、君にチームへ加入してもらうために詳しく説明させてもらうとしよう」 飛…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![事件の結末]

「司、恋愛経験の無い貴方にしては上出来だったんじゃないかしら?これでいつでも樹様のお住まいへ逢いに行けるわねぇ」 千歳が小悪魔っぽい笑みを浮かべてわたしを茶化す。 「も、もう!茶化すのはやめてくれないかしら...ん~でもこれはやっぱり貴方のお陰…

僕達の世界線は永遠に変わらない [プロフィール]

一通りの説明を終え、葵さんが運んででくれた二本目のペットボトルに口をつける。 「匡は海外へは行かずにずっと自宅の地下で治療をしてたって訳ね」 少し怒り気味に結月がそう言った。 「嘘をついしまった事は謝るよ。本当にごめん...でも両親と話し合った…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![学校裏の神社]

「ヒャッ!?」 わたしは後ろに居る千歳から突然指で腰を突かれ、驚きの変な声を上げてしまった。 「そんなんじゃなくて樹様のことを訊きなさいよぉ」 更に千歳が小声で耳打ちして来た。 「で、でも。今はそれどころじゃないような…」 「あとで後悔しても知…

僕達の世界線は永遠に変わらない[まともな食事]

シェルター内には我が家の地下室と同じく巨大な蓄電池があり、エアコンが稼働していて適度にひんやりとしている。 因みにここの蓄電池は、人力や風力で起こした電気も蓄積できるそうで、そのための設備も整っているらしい。 葵さんがライスの盛られた最後の…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![図々しさは時に必要?]

「と、通りま~す。あっ、ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさーい!」 千歳に半ば強引に突き動かされ、樹様を女学生達が囲む中に入り、謝りながら人混みを掻き分けていく。 何とか樹様が視界に入る位置まで辿り着いたけれど、宝城さんが樹様の手…

僕達の世界線は永遠に変わらない [シェルター内の実情]

結月との再会の余韻に浸ることはなく、僕も手伝い四人で夕食の準備に取り掛かった。 葵さんによる指示の元、食器棚から皿やフォークにスプーンなどを七人分取り出し、茶色の木製長テーブルに並べて行く。 シェルター内って食器がこんなにあるもんだな... な…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [救世主は...]

斬られるっ!? と諦め目を瞑ったその時! 「パッキィン!」 刀が何かに叩き折られる音が響いた! 目を開けると目の前に一人の殿方が木刀を持って立っている。 「玄次郎さん!此処までです。いい加減正気に戻って下さい!」 この声はまさか... 「うるさいう…

僕達の世界線は永遠に変わらない [再会]

「結月ちゃん、ビッグゲストを連れて来たよ~」 飛鳥井さんが声をかけると、まな板の上で何かを切っていた結月の手が止まり、こちらをゆっくり振り向いた。 振り向き様に飛鳥井さんへ向いていた結月の目線が直ぐに僕へ移り目が合うと、元気なさげな顔から驚…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [気合いを入れる]

殿方の上段斬りを右横に転がりかわす! その直後にわたしの居た空間を真剣が通り過ぎた。 この人は本気で斬りかかってくる… 剣術を習い始めてから初めて命の危険にさらされ、顔からサーッと血の気が引いていくのが分かった。 今の太刀筋だけを見れば、普段の…

僕達の世界線は永遠に変わらない [新田葵(にったあおい)]

品川家の豪邸の門は電動式になっていて、通常ならスイッチ一つで「ゴゴゴ」と音を立てて両端に動き開くのだが、今は電気が通っておらず、飛鳥井さんが手を当て力づくで門を動かした。 門をくぐると両サイドには芝生や小さな池まである庭が広がり、正面に見え…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [真剣との初対峙]

「ぼ、僕のものにならないのならば…あ、貴方を、こ、殺して僕も死ぬ…」 狂乱の殿方がブツブツと恐ろしいことを言い出した。 そして、ブルブルと震える手で鞘から刀を抜く。「キャーッ!キャー!」 一部始終を観ていた取り巻きの女学生が悲鳴を上げる。 当事…

僕達の世界線は永遠に変わらない [感情の起伏]

幼馴染みの結月とは、幼稚園から小学二年生くらいまでは毎日のように遊んだものだった。 その仲良く遊んでいた時期に、子供の足では決して近くはないこの結月の家へと、何度も足を運んだ記憶が残っていたのである。 「飛鳥井さん、ひょっとしてチームのメン…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [御乱心の殿方]

「ウフフ、褒めてくれてありがとう。司の絵も見せてよ」 「うっ、うん良いけど、見て笑わないでよぉ」 自信なく描いた絵を恐る恐る千歳に見せると、みるみるうちに眉間に皺が寄り険しい顔になっていく。 「ま、まあまあ良いんじゃないかしら。この桜の花びら…

僕達の世界線は永遠に変わらない [見覚えのある風景]

「俺は今日、この住宅街に残っている人間が居ないものかと探索していたんだ。その途中で化け物カラスの群れが一カ所に集まっているのを見つけてね。そこへ瞬間移動して群れの中心に目を向けると、若い男女の二人が手足をカラス達に食いちぎられている最中だ…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [千歳の才能]

毎年想う...厳しく寒い冬を乗り越え、その名残が無くなり生命の息吹を感じる4月はとても心地良い。 本日はたいへんお日柄も良く、絵画を描くには上々の環境だった。 「カリカリカリカリ」 隣に黙って座る千歳が、紙の上で手を休めずに鉛筆を走らせる音が聴…

僕達の世界線は永遠に変わらない [疎らな覚醒]

「その話、もし良ければ詳しく教えてもらえませんか?」 飛鳥井さんの表情が曇っているのは分かっていたが、興味の方が勝りきいてしまった。 「話すのは構わないけどグロいよ」 「グ、グロいところは飛鳥井さんの匙加減で調節してもらえると助かります」 「…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![流れに身をまかす]

そ、そうよね...客観的に考えてもやっぱりこれは「一目惚れ」よね... 「で、その冷泉様の年齢とお住まいは分かってるの?」 「年齢は一つ上、お住まいは知らないけど、道場を開いてらっしゃるようなことをおっしゃっていたわ」 千歳が大きく目を開き驚いたよ…

僕達の世界線は永遠に変わらない [拠点になるアジト]

「すみません、お願いします」 何も知らない僕のために長々と説明してくれたのに、なかなか決められなくて申し訳なく想う... 「チームの目的はズバリ!全生命体が共存できる世界の構築!…と高い目的を掲げてはいるが、現状は徒党を組んで何とか生き延びよう…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [ひとめぼれ]

因みに千歳のお兄様の名は穂波一朗太(ほなみいちろうた)。年齢はわたしの一つ上で18歳の学生。キリッとして端正な顔立ちをしており、千歳から以前聞いた話では女性にモテているとのことである。 でも、わたしが昨年お会いした時の印象は単に剣術の上手い殿…

僕達の世界線は永遠に変わらない [全生命体に依るバトルロワイヤル]

ブツブツ独り言のように呟く僕を見て飛鳥井さんが続ける。 「簡単に言っちゃうとだね。現状は地球上の全生命体に依る生き残りをかけたバトルロワイヤルが始まっているんだよ。誰かが始めようとルールを決めて画策したわけではなく、ごく自然な成り行きでそう…

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [親友のお兄様]

朝は真琴さんに起こされ学校に着くまでのあいだ、特にこれといって変わった事もなく、今は教室で親友の千歳と雑談をしているところだ。 「そうなのねぇ。千歳のお兄様は東京警視庁にお勤めになりたいんだぁ」 「何を好き好んでそんな仕事をしたいのか知らな…

僕達の世界線は永遠に変わらない [日本崩壊]

「あのぉ、これってお金とかは?...」 「拝借」と言う言葉に引っ掛かり、訝しむとまでは行かないまでも念のため訊いてみた。 「お金かぁ...今は持ち合わせないんだよねぇ。それにもう人間社会は崩壊しつつあるから、君もお金の概念は捨てて良いかもだよ」 「…