orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ15

「ありがたく頂戴しておくぞ。じっさま♪」 「うむ、嬉しそうで何よりじゃ」 手に取った脇差「風鳴り」をサッと鞘から解き放ち、刃を目の前に真っ直ぐ突き立て興味津々で眺める仙花。 「ほ、ほほ~♪これはこれは度肝を抜かれる良業物だ。じっさまの言っておる…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ14

「...............................」 「....さま。....っさま。じっさまじっさまじっさまーーーーっ!」 「おっ!?おうおうおうおうおう!?」 刀と黒い板の話していたはずがいつの間にやら記憶を遡り、一人物思いに耽ってしまった光圀。 ぼ~っとしている…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ13

「光が消えおった...この世の物とは思えん不思議な板よ...」 「滝之助!何をしておる?早うそれを持って来い」 「たっ、只今!」 光を失った黒い板を目を丸くして眺めていた滝之助が光圀に急かされ慌てて渡す。 光圀も興味津々といった具合で手に持った板を…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ12

ピクリとも動かない子供の側に寄り、生死を確かめるため背中に触れ軽く揺する。 「どうじゃ。その子は生きておるか?」 「少しお待ちを」 揺すっても子供が反応を示さず、光圀の問いかけに答えられなかった滝之助が、子供の後頭部に左手を添え抱き抱えて鼻に…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ11

仙花が受け取った黒板をまじまじと眺めると、縦書きで四つの文字が刻まれていることに気づきく。文字は光圀からみっちりと教わり大体読めた。 「鳳来極光(ほうらいきょっこう)....じっさま?」 これは何?という分かりやすい表情の仙花に光圀が頷く。 「そ…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ10

この寝室にある灯りは温かみは感じるが乏しい蝋燭一本の光のみ。無論、部屋全体を照らせる訳もなく、空間の半分程は薄い暗闇に包まれていた。 めんと向かい合う光圀の顔から笑みが消え、此処に来て仙花が初めて見るような真剣な表情になる。 かつてない光圀…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ9

そんな仙花に柔かな笑顔の光圀に話しかける。 「いやいや仙花。今宵の宴はこれにて御開きじゃ。周りを見てみい、み~んな朽ち果てて眠っておるわい」 光圀に言われ、キョトンとして周りを見渡す仙花。 「ふむふむ、いつの間にやら皆倒れてしまっておるのう」…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ8

「ふぅん、何だか犬の遠吠えのように聞こえるわねぇ。あたしはもう三十杯目を呑み終えたところだけれど、蓮さん、貴方は未だ二十五杯目よぉ。ちゃぁんと数えていたのだから間違い無いわぁ♪」 多量の酒を呑みながらもまだまだ意識のしっかりしているお銀は、…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ7

異変は影の薄く伏兵路線雰囲気満載の藤間滝之助の身に起きた。 滝之助の目が突然くるくると回り出し、絹江が注いだ二十二杯目の酒を呑もうと足下の盃を掴もうとするが、取ろうと伸ばす手がスカスカと的を外れて空を切る。 「あれっ!?あらっ!?おろろろろ…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ6

皆がひとしきり笑い場も和み、友人同士の集まりではないかと疑うほど宴会は盛り上がりだした。 うっかりが売り?の九兵衛が持参してきたひょっとこ面を被り、見たこともない型にはまらぬ奇妙動きで踊り出す。 するとお銀が着物の袖から笛を取り出し楽しげな…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ5

梅干しが雪舟丸の額を直撃する寸前! 寝ている筈の雪舟丸の右腕が想像を絶する速さで動き梅干しを人差し指と中指の間に挟んで掴んだ! さらには流れるように口へ運び一瞬とんでもなく酸っぱそうな表情をしたかと思うと、種子ごと飲み込み何事も無かったかの…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ4

愉快に笑う仙花の姿を見て、蓮左衞門、お銀、九兵衛の三人がそそくさと恥ずかしそうに正座して姿勢を正す。 落ち着きを取り戻したお銀が弁解するようだ。 「光圀様。仙花様。お見苦しい姿をお見せし申し開きようもございませぬ。ですが以後、取り乱さぬよう…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ちノ3

絶句する周りを他所に、光圀が可笑しそうな面持ちで九兵衛について喋り出す。 「こっこっこっ。皆何を驚いておるのじゃ。こやつは長旅で重宝する薬師。その者の薬師としての腕前だけは儂が保証するぞい。困難な旅先で必ずやお主らの役に立つであろうよ」 九…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ2

その夜、人里離れた西山御殿の一室では、明日いよいよ旅立つ刀姫こと仙花の前途を祝し、少人数ながら賑やかな宴が執り行われていた。 「さぁみんな!刀姫の初獲物!猪が捌けましたよう。たくさん食べてくださいなぁ♪」 光圀世話役の絹江がざるいっぱいの猪肉…

刀姫in 世直し道中ひざくりげ プロローグ〜[第1話 旅立ち]ノ1

[プロローグ] 時は徳川幕府の栄えた江戸時代初期。 かつて「水戸黄門」なる別称でその名を轟かせた徳川御三家の一統である水戸藩藩主にして家康の孫にあたる水戸光圀。 物語を進める上で「光圀(みつくに)」の人物象について少々語らなければなるまい。 …

僕達の世界線は永遠に変わらない [第一部 最終話]

匡は音速を超える衝撃波にもちろん備えていた!両の掌を前方に突き出し能力を発動する! 「真空崩壊!消えてしまえ!」 「バッシュン!!」 カラハグが全力で放ったクロウインパクトは、匡の能力によりかくもあっさりと掻き消された! 「っ!?」 直後!匡の…

僕達の世界線は永遠に変わらない [フルパワー]

「へ~。約束破りの王のくせに口だけは達者なんだなぁ。ちょっと呆れたぜ」 匡が呆れるのも無理はない。カラハグは接近戦をするのは危険と判断し、吐いた言葉とは裏腹にゆっくりと後退りして距離を広げていたのだから。 「これくらい距離があれば十分だろう.…

僕達の世界線は永遠に変わらない [進化と真価]

首の骨をへし折られれば普通の人間なら死に直結するであろう。その死の淵から自己治癒(復元)能力だけで復帰した匡は、以前の彼とは明らかに雰囲気が違って見える。 猛々しさがましたというか何というか、彼の身体に変化が起こり心境にも変化でもあったのだ…

僕達の世界線は永遠に変わらない 「無意識]

対峙する二人の距離は20mほどしか離れていない。 カラハグがその気になればあっという間に間合いを詰められる攻撃範囲であったが、すぐに攻撃を仕掛けるような素振りは無かった。 「その言葉通り実現することは万が一にも無いだろうが、せめて我を楽しませて…

僕達の世界線は永遠に変わらない [真っ向から]

「あの爆弾人間、生きているのか?...」 自身の所有する生物探知能力を働かせ、付近に人間のいることを察知したのである。 また何かに気付き後ろを振り向カラハグ。 「瞬間移動の人間の仕業か......」 振り向いた視界の先には、倒れていたはずの飛鳥井の姿が…

僕達の世界線は永遠に変わらない [トラップ]

ハゲ。否、カラス王カラハグが柴門の野次馬のようなやすい挑発は気にも留めず物申す。 「よかろう!そんなに死に急ぎたいのなら望みを叶えてやる。殺してやるからそこを動くな!」 言い終えたカラハグ柴門に向かってゆっくりと歩き出した。 「へっ。一度痛い…

僕達の世界線は永遠に変わらない [煽る]

数分前までカラハグを封じ込めていた結月のフォローにあたっていたため、能力を使用する力が僅かしか残っていない美琴と、200羽の化け物カラスと戦った直後にメンバーを守るための極厚鉄壁を作り出し、同じく疲労困憊の八神の二人が残りの力を振り絞っての攻…

僕達の世界線は永遠に変わらない [ラスボスのしつこさ]

これ以上無いタイミングで飛鳥井の一閃がカラハグの頭を真っ二つしようとしたその時! チャラの会心の一撃により右目を失い血飛沫を上げて意識朦朧のカラハグがフラッと身体を捩らせた!? 「っ!?」 「ザンッ!!」 頭を真っ二つにすることは叶わなかった…

僕達の世界線は永遠に変わらない [千載一遇]

家屋の瓦礫に降り立ったカラハグが傷んだ翼をたたみ、その場に座り込んで目を閉じる。 希少な王の細胞を持つこのカラスはが数分も休めば100%とはいわずとも、かなりの体力や傷を回復してしまうことだろう。 距離を置き、死角からジッと様子を伺っていたチャ…

僕達の世界線は永遠に変わらない [大ダメージ]

四人と一匹の目線の先には、「ギガントボム」による攻撃を受け、身体に黒い焦げ跡の残るカラハグが、焼けて一部欠損した翼をバサバサとはためかせ上空で高さを保っていた。 「くそっ!やりきれなかったのか!!」 相手に防御する暇も与えず、渾身の「ギガン…

僕達の世界線は永遠に変わらない 「爆煙]

一瞬目も眩むような光を放ち家屋数軒が吹き飛ぶほどの凄まじい爆風が起きた! 極圧の鉄壁のお陰でその爆風の影響を受けることなく、飛鳥井、八神、柴門の三人が屋根上に居るチャラのそばに着地する。 「復帰出来て良かったなぁチャラ!」 葵に任せて大丈夫だ…

僕達の世界線は永遠に変わらない [虚を衝く!]

能力によって生成した牢獄にカラハグを封じ込めてから15分が経過しようとしていた。 当初結月は初めて使う技の維持可能時間を15分と軽く見積もっていたが、実際のところ美琴のフォローが無ければ10分と保てなかったかもしれない。 女子高生にして健気にも頑…

僕達の世界線は永遠に変わらない [二度目の対峙]

心なしか、青ざめて見える葵がチャラにことの経緯を説明する。 「驚かずに聞くのよ。あのね。君と匡君がカラハグにワンパンであっさりやられたあと、飛鳥井さんがここへ君達を連れて来てくれたの。そしたらカラハグが直ぐにここへ向かって来たんだけれど、結…

僕達の世界線は永遠に変わらない [猫の復活]

迫力あるカラハグのその言いようは、結月と美琴にプレッシャーを与えたかと思えたのだが。 「お好きにどうぞ!脅しても無意味よ!でもこの牢獄が解けて次に倒れるのはあなただと予言させてもらうわ!」 「そうね。結月ちゃんの言う通りだわ。わたしたち全員…

僕達の世界線は永遠に変わらない [疲弊する]

「カァーーーッ!カァ!カァカァーーッ!」 その間に十数羽の化け物カラスが奇声をあげ八神を狙い一斉に急降下した。 襲いくる化け物カラスの群れを黒光りした十の鉄の大蛇が向かい撃つ! 「ヴンヴヴン!!ビィッシャーッ!!シャシャシャーーーッ!」 「ギ…