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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第18話 不埒

「...ほぉう、誰かと思えばこの間のお嬢ちゃんか...」

「おっ!?お嬢ちゃん!?」

 お銀の脳裏に稲妻が走る!

 二十代半ばにしてまだまだ若いとはいえ、お銀の容姿はお色気たっぷりにて抜群のプロポーションをしており、「お嬢ちゃん」などと呼ばれたのは十年振りなのであった。

「うぅ...仙人だけに恐らくはあちしよりかなりの年上だと思うのだけれど、あのあどけない子供の如き姿であんな呼び方をされると...」

「おいおーい!お嬢ちゃんお嬢ちゃん。聞こえないように呟いちゃってくれてるつもりだろうけれど、あたしは仙女だよ。それも極上の!だからお嬢ちゃんの呟きは全てまるっと聞こえちゃってるよぉ」

 雲峡がほくそ笑みながら意地悪くお銀にそう告げた。
 実際のところ神に最も近しい存在である仙人なる者達は、人間の持つ五感を全て備えており、その全てにおいて人間の能力を遥かに超えている。
 だから「雲峡」でなくともほとんどの仙人の聴覚が「地獄耳」なのであって、特段驚くようなことではない。

 しかし、くノ一であり世間の情報に超敏感なお銀ですら、こと仙人に関してはあまり情報を持ち合わせていないのが実情。

 ゆえにお銀が珍しくも狼狽する姿をお披露目することに相なったわけだが。

「うっ、雲峡様を前にしてはヒソヒソ話も無意味というわけございますねぇ。不埒な手前の失言をどうかお許しくださいませ...」

 

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