orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

やしあか動物園の妖しい日常 59〜61話

[半泣きになる] 林を抜けてやしあか温泉へ向かうと、髭面で長髪のボサボサ頭をした、40代前半くらいの男性が入り口に立っていた。 久慈さんが気さくな感じで男性に声を掛ける。 「お疲れ様です。アマノさん!いや~、今日も天気が良いですね~」 声を掛け…

運命の人は何処にいるのだろうか

[走馬灯のように] 「ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…」 狭い個室に心電図の安定した音だけが響き渡る。 僕は、病院のベッドで静かに呼吸しながら眠る僕を眺めていた。 ベッドのすぐ横には、短めで癖の無い黒髪の少女がパイプ椅子に座ったまま眠っている。 彼女は幼馴…

やしあか動物園の妖しい日常 56〜58話

[二口女と雪女] 二人で社員用の食事部屋へ移動して椅子に腰掛けた。 「さっきの人は二口女(ふたくちおんな)のニグチさんと言うんだ。いつもはワラさんとカヤさんの影に隠れて目立たないけれど、やしあか食堂のメンバーだよ」 「大人しそうな人でしたもん…

やしあか動物園の妖しい日常 53〜55話

[魔女狩り] 出勤三日目も昨日と同じように担当コーナーへ歩いて行き、掃除と給餌の準備に取り掛かる。 馬小屋の掃除をしていると、旅人馬のシーバさんが話し掛けて来た。 「紗理っち、昨夜の歓迎会は楽しめたのかい?」 「それはもう楽しめましたよ~。料…

やしあか動物園の妖しい日常 50〜52話

[三人の女子会!?] おつまみは、いかさきやピスタチオ、なぜかアーモンドフィッシュというお菓子系もあり、料理は唐揚げとタコのカルパッチョ、牛肉のしぐれ煮が並べられた。 「どうよ~、これだけあれば十分でしょ。タコのカルパッチョは『紗理っちのた…

やしあか動物園の妖しい日常 47〜49話

[歓迎会のあとで] このまま呑み続けたら潰れてしまうかも知れない。そろそろ帰った方が良いかも。 「久慈さん、わたしは酔い潰れる前に帰りますね」 「わかっ…」 「ダメよっ!今夜はあたしに付き合ってもらうわ。紗理っち」 泥酔状態とまではいかないけれ…

やしあか動物園の妖しい日常 45〜46話

[カクテルバー] 歓迎会の途中、壇上に何人かが上がり、歌やダンス、マジックなどを披露したりして大いに盛り上がった。 久慈さんに断りを入れて、わたしはあとで行こうと思っていたカクテルバーに足を運ぶ。 カクテルバーは簡易的なカウンターが設けられて…

やしあか動物園の妖しい日常 【ここまでの登場人物一覧】

ここまでの登場人物一覧※妖怪の年齢は人間の姿の見た目年齢です黒川紗理亜(くろかわさりあ)身長:165cm 性別:女性年齢:22歳呼名:紗理っち、サリ物語の主人公。魔法の使える魔女。元気があり仕事熱心だがたまにドジをする。久慈公彦(くじきみひこ)身…

やしあか動物園の妖しい日常 42〜44話

[ホタテのカルパッチョ] 「え~こんな格好で登場してすみません。では、みなさん、グラスを手に持ってご準備ください」 リンさんがそう言うと、会場の全員が白ワインの注がれたグラスを手に持つ。 「紗理ッち~はい、どうぞ」 「あ、ワラさん、ありがとう…

やしあか動物園の妖しい日常 39〜41話

[妖怪の文明社会] 脱衣所に移動してロッカーを開け、白いバスタオルを取り出す。 濡れた身体をそのバスタオルで拭き、リュックに入れてある替えの下着と服を急いで着た。 「えっと、髪を乾かしたいところだけど...あっ!あったあった」 髪を乾かすスペース…

やしあか動物園の妖しい日常 36〜38話

[秘湯!?やしあか温泉] 気になったので振り返り、壁のあった場所にそっと手を伸ばす。「あっ!ちゃんと透明の壁が現れてる」 「結界が解けて元に戻るのはだいたい5秒ってところだよ」 壁のできる場所で5秒経過するまで立ち止まるとどうなるのだろう? …

やしあか動物園の妖しい日常 34〜35話

[能力封じの魔法] 担当コーナーの給餌を終わらせ、久慈さんと事務所に帰ろうとすると突然後ろから声を掛けられた。 「おーい、今夜は歓迎会かい?良いなぁ君達は」 さとりの兎のサトリさんは小屋から外に出ている。 「あれっ?サトリさんは歓迎会に参加し…

やしあか動物園の妖しい日常 32〜33話

[大満足のご馳走様] 「あの塩って、この食堂で出してる物ですよね?」 「たぶんそうだと思うよ。ずっと置いてあるから良くは知らないけれど」 ここの塩であれば味に問題は無いだろう。席を立ち塩を取りに行って戻り、肉一切れのソースのかかっていない部分…

やしあか動物園の妖しい日常 30〜31話

[トンカツソース] 「あっ!新人さんいらっしゃい!注文決まった?」 ワラさんと目が合うとニコッと笑い直ぐに話し掛けてくれた。 「注文は決まりました。お願いしても良いですか?」 注文を書いたメモを渡す。 「日替わり2つね!OK!」 笑顔が可愛くて若い…

やしあか動物園の妖しい日常 28〜29話

[恥ずかしい!?] 「会話中のところすみません!先ほどから歓迎会のお話をしているようなので、勝手ながら自己紹介をさせていただきます!新人飼育員の黒川紗理亞22歳、目下のところ恋人募集中!」 きゃーっ!?慌てて全く関係の無いことを口走ってしまっ…

やしあか動物園の妖しい日常 26〜27話

[つがいの鎌鼬] リスとプレーリードッグを見たあとイタチの小屋を拝見。 ニホンイタチ、オコジョ、フェレット、イイズナなどが居てどれも普通に可愛い。 ん~この中ではイイズナが一番可愛いかなぁ...って。 「あの、久慈さん。さっきからこっちをめちゃく…

やしあか動物園の妖しい日常 24〜25

[仕事の段取り] 「黒川さん、そろそろ飼料の配合を始めよう。僕が飼料をタンクに入れるから、ここにある飼料袋を全部開けてくれるかな?」 「了解です!魔法でやっちゃいますね!」 女性が20㎏の飼料袋を扱うのはやっぱり重労働、こういう時は魔法を使うの…

やしあか動物園の妖しい日常 22〜23話

[旅人馬のシーバさん] わたしは気になることがあると直ぐに質問してしまう。 「妖怪の皆さんは夜になると何をして過ごしてるんです?」 そもそも妖怪が労働する世界が不思議なのだけれど、夜の行動も気になるところだ。 「そうだな…酒を呑んで騒いでいる者…