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一輪の廃墟好き 第36話 思想の自由

 久々に子宝神社を訪れたのだから、折角とだ、日本における出生率(しゅっしょうりつ)について俺なりの考えを言わせてもらおう。

 丙午(ひのえうま)の年に生まれた女は夫を喰らうだの、殺すだのという古い迷信から、1.58という極端に低い出生率だったのが昭和41年。

 平成元年に起きた1.57ショックとは、丙午によって低かった出生率をさらに下回ったために付けられた呼称である。

 そして令和元年においては1.57ショックを遥かに下回る1.36だ。

 国の発表によれば、人口増加に必要な出生率が2.07というのだから、その乖離具合は正直深刻過ぎる問題であるとしか言いようがない。

 出生率の低下に反し、医療の進歩や治安の良さなどから日本人の平均寿命が年々伸びている。

 長生きしたいと願う人々にとってこれは朗報かつ喜ばしいことでもあるのだが、このため日本は10年以上前に迎え「超高齢社会」となり、令和4年の現在に至るまで何の改善も得られないまま継続中なのだ。

 この現象は日本社会の様々な仕組みに影響を大いに及ぼしている。

 特に顕著なのが破綻寸前が何年も前から囁かれる社会保険制度ではなかろうか...

 ...おっと、いかんいかん。
 今は社会風刺のことなぞ語っている場合ではなかったな...

 とどのつまり簡単に纏めてしまうと、若者への負担が年々増加する今のままの社会では、そう遠くもないであろう近い将来、一気に破綻してしまうのではないかという懸念を持っているのである。

 自己中心的人格の俺が、日本人の将来を憂い、こんな事を考えていようとは周りの誰もが思ってもいないだろうし、俺に興味すら無いのであろうが、幸いにして我が国の最高法規である日本国憲法は、国民の「思想」と「良心」の自由を保障してくれている。

 物語の進行具合としては大きな問題かも知れないが、俺が権利を発動し、思想を展開して主張することはある程度許されるのだ。

 だがやはり物語の進行を妨げてまで主張することは、語り手シップに反し、俺は「許されざる者」と確定することだろう。

 つまり俺は何が言いたかったのかというと、ここまで長々と話し腐って何だけれど、散々語った出生率の問題云々はさておき、子宝に恵まれない夫婦などは今も昔も家庭を守るために一生懸命なのだということである。

 医学の進歩した昨今では、高額な「不妊治療」や「体外受精」といったことで解決する方法もあるにはあるが、よほどのことがない限り、子を授かる奇跡は自然な形を望むのが人というものでは無いだろうか。

 ゆえに神頼みのため、遥々とこんな辺境の神社を訪れて祈願する者が絶えなかったのだろう...

 

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