orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

一輪の廃墟好き 第114話 小娘

 淀鴛さんとの酒を嗜みながらの会話はさらに続いていたが、ふと時間が気になったのでスマホで確認すると、既に22時を回っていた。
 「民宿の食事場で流石にこの時間をまずいだろ」と思い。

「淀鴛さん、これ以上ここに居ては女将さんのご迷惑になりますのでそろそろ...」

 隣の助手は遂に酔い潰れて寝ているし、この場はお開きにして自室に戻ろうと考え言ったのだが。

「おお、もうこんな時間か。じゃあ場所を移して呑み直そうか」

「えっ!?場所を移すって何処へ?」

 予想外の言葉が返って来たので僕は少なからず動揺した。

「そうだな...お嬢ちゃんを君達の部屋へ寝かせて、君だけ俺の部屋に来ればいいさ。なんならお嬢ちゃんを運ぶのを手伝うぞ」

 どうやら淀鴛さんの中で飲み会の続行は確定らしい...
 まぁ淀鴛さんとの会話は退屈しないし、もう少し付き合うか...

「あっ、いえいえ大丈夫です。こいつは今起こして自分の足で部屋へ行かせるようにしますので...おい未桜、起きるんだ」

 僕は彼女の肩を微かに揺らして起こしにかかった。

「ん...い、いや...もう、あるけ、ない、おぶって...」

 ほ、ほほぉ、仕事上の雇用主である僕に二階の部屋までおぶれと。
 
 重々承知しているが肝のすわった小娘だ。

 

===============================
過去の作品はこちらにまとめてあります!
https://shouseiorutana.com
===============================