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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第107話 母親

 彼女は思う、「これが母上の優しさ、愛情というものか...なんとも居心地の良いもんじゃな...」と。

 

 10年ほど前、彼女は山道をたまたま通りかかった光圀に拾われたわけだが、それ以前の記憶を完全に失ってしまっていたため両親のことはおろか、己の名前すら思い出せぬ有り様から考えれば、彼女が母親の愛情をこと感慨深く受け止めるのは当然といえば当然であろう...

 

 しかしながら、遅まきながらここで一つの疑問が浮かび上がっていることを云っておかねばなるまい。
 なぜ、この母親が付けた「仙花」という名が、光圀が彼女を拾ったのちに付けた名と漢字一つも違えず一致しているのかといところなのだけれど、それはこの天心の仙術によって見せられている夢が、彼女の過去をそのまま投影しているのか否かという部分から考えねばならないことであり、物語が進むにつれてきっと徐々に判明していくことであろう...

 

 さて、幼く小さな仙花が母との楽しい食事を終え、手を合わせ元気良く「ご馳走様』と言った途端、彼女の目は太陽を裸眼で直視したが如く光を浴びて立ちくらみ、場面はまた一瞬にして変わったものである...

 

 そこには汗水を垂らしながら、女の細腕で重い鍬を使い畑を耕す母の姿があった...

 

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