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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ67 人喰い魚

 因みに琵琶湖の半分くらいの広さであるこの湖にも、一応と云っては何だけれどしっかりとした名称が付けられていて、西の湖が存在するのか否かは分からないが東雲湖(しののめこ)と云う。

 東雲湖には数こそ少ないものの数種類の淡水魚が泳いでいて、仙人達はたまに釣りをしては手ごころを加えて食していた。

 当たり前かも知れないが、その数種は人間界に存在する淡水魚とは明らかに違っており、姿こそ人間界に生息する魚に近いものの、中には鋭い歯で人を襲う人喰い魚などが存在している。

 にも関わらず、彼がのほほんと釣りを嗜んでいられるのは、人喰い魚に関して真如から特徴と対処法を学んでいたからであった。

 それに人喰い魚は他の魚より数がずっと少なく希少で、極々稀にしか遭遇しないと云うのが仙人界隈の通説らしく、城太郎は大いに油断していたものである。

「おっ!!??」
 
 気の抜けた様子の城太郎の持つ釣竿が突如として豪快なしなりを見せた!

「おわわっ!?」

 あまりの引きの強さに城太郎が慌てふためく。

 宇宙の法則というのは本当に不思議なもので、この時、極々稀にしか遭遇しない筈の人喰い魚が彼の釣竿による仕掛けに掛かっていたのであった...

 

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