一輪の廃墟好き 第132話 断定
探偵稼業をやっていてたまにふと思うのだけれど、人探しや物探しには集中力や洞察力が必要なのは言わずもがな、やはり運というか予期せぬ事象や視点を変化させることによって革新的に進捗する場合がある。
それを僕にもたらしてくれるのが助手の未桜だったりするのだが、あいにく彼女はこの場に居ない。
前置きでこのようなことを云ってしまえば言い訳に聞こえようが、僕と淀鴛さんを含め、他の警察関係者4人ほどで調査を進めたけれど、犯人に結びつくような手がかりは何一つ見つかっていない状況である。
被害者の遺体が残っていれば、もしかしたら何か分かったかも知れないのだが、残念なことに事件現場からとっくに病院へ搬送されいてここにはもう無い。
警察がいくら調べても犯人の使用した凶器はおろか、指紋一つ発見されないのだから驚きだ。
しかしこれだけ調べても何も見つからないのに警察や淀鴛さんはほぼほぼ他殺だと断定しているのか?
僕は拝見していないから何とも判断出来ないのだが、淀鴛さんから聞いた話しによれば、被害者二人が負わされた深い刺し傷や切り傷から明らかなことで、現場を数多く経験している殺人課の警察関係者からすれば、一目で他殺だと判断できるのだという...
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