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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第8話 眠気

 一方では仰向けに倒れたままの蓮左衛門に近づいた雪舟丸が、面倒臭そうに彼の額に手刀を軽く当てて強制的に目覚めさせた。

「んんん...おぅ!?雪舟丸殿!敵は!?敵はどうなったでござるか!?仙花様の助太刀をしなければ!!」

 気絶から目覚めたばかりだというのに蓮左衛門の威勢はすこぶる良い。

 戦いに疲れて眠気が襲っているらしい雪舟丸がとろんとした眼をして告げる。

「...案ずる必要はもうない。あの化け物は既に拙者が斬り捨てた。仙花様も無事だ」

 雪舟丸が首を動かし仙花の居る方を指し示す。

「そうでござったかぁ、流石は雪舟丸殿。それにくらべて拙者は気を失ってしまって情け無いでござるなぁ...」

「此度は相手が悪かった。拙者が一人で相手しても倒せなかっただろうな。仙花様の奮闘があってこその勝利だった...すぴ~すぴ~...」

 いい終えるや否や、居眠り侍には体力的限界が来たらしく、立ったまま居眠りを始めたのだった。

 もう一方では、先に起こされた九兵衛がうつ伏せで倒れる真如の元へ駆け寄り、身体を抱き起こしてお茶と混ぜた気つけ薬を飲ませていた。

 程なくして真如がゆっくりと瞼を開ける。

「おぉ、目覚めたでやんすね。息が弱かったから心配したでやんすよ」

 目覚めはしたものの、まだ辛そうな表情の真如が振り絞るように口を開く。

「...あ、亜孔雀の奴は...ど、どうなったのじゃ?」

 

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