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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第91話 試練

「なかなか肝っ玉の座った意気のいい女の童だ。だが残念。オレは人間に試練を与える仙人して暇を持て余す仙人でもある。やはり直ぐに試練を与えることは...」

「黙れ天心。偏屈者のお主にしてみれば時間があり余って仕方無かろうが儂には微塵も関係無きこと。外では家臣達が待ってるゆえ早々に試練を与えるが良かろう」

 仙人であれば成人してもいない仙花より遥かに歳上の筈の天心であったが、彼女の凄みを効かせた物言いにやはりたじろぐ。

「ケッ...オレにとっては何十年かぶりの会話だというのに楽しませてくれん奴だ...良いだろう。この純真の洞穴での試練は三つだ。その全ての試練を乗り越えることができたとき、お主は晴れて念願の仙人になれるという次第である。では第一の試練を与えてよう。手に持つ灯りを頼らず、暗闇の中からオレを見つけ出せ」

 天心がいい終えるや否や、仙花の手に持つ提灯の灯りが風も無いのに「フッ」と消えた。

 人の目は明るい場所から急に暗い場所へ行くと、目が慣れずほとんど何も見えない状態となる。

 仙花もそこに関しては人間離れしておらず、提灯の灯りが消えた瞬間に視界は零となり、彼女は瞼を閉じた。

「なるほどのう、おもしろい。目に頼らずお主を見つけ出せば良いのじゃな...」

 

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