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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第148話 庶民

 そんな親子愛を感じる微笑ましい様を嬉しそうに眺めていたトキが、新鮮な魚の入ったザルを子供達に差し出す。

 

「椿、梵、今日は町で秋刀魚が手に入ったからご馳走するよぉ。白米もあるからうんとお食べ」

 

「うわぁ!お魚なんて久しぶりやねぇ!梵はお魚食べるの初めてだから姉ちゃんが食べ方教えてあげる」

 

「お魚お魚〜」

 

 地方にも夜だろうが、江戸時代に庶民が魚を食すことは贅沢なものであった。とりわけこの一家が魚を食すことは年に一回あるかないかと言うほど稀だったのである。

 

 清兵とトキは町で仕入れた正月用の食材を貯蔵庫にしまうと、腹を空かせた子供達の晩飯作りに取り掛かかって早々と済ませ、囲炉裏を囲んだ四人家族の今年最後となる食事が始まったのだ。

 

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