刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第171話 戯言
女が生気を無くした不気味な顔を微妙に動かし、口角が人としてあり得ない角度で上がり口を開く。
「ゲゲゲ。貴様ら儂が人間でないことを見破るとは只者ではないな」
女は一般人の出すそれとは随分と程遠い耳に響く声を出した。
対応するは手裏剣を構えたままのお銀である。
「...戯言は時間の無駄というもの。時間が惜しい、さっさと姿を現せ化物!」
お銀は女が既に人ではなくある種の怪異であることをとっくに見抜いていた。
「...貴様ら。儂と出会してしまったことをあの世でとくと後悔するが良い」
女がそう良い終えると、関節の無い身体のあちこちがボコボコと奇妙に動き出し、自己の皮膚が裂けて顔面も真っ二つに引き裂かれた。
そして裂けた部分からは赤い血ではなく、ドス黒い新たな皮膚が出て来たのだった...
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