刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第202話 所作

　などとどうでも良い？ことをしょうもなく云っている間に、雪舟丸は怪異との距離を一気に縮め、退魔の剣を空気を切り裂かんばかりに鋭く速い攻撃により、あっという間に十体前後の怪異の命を砕いていった。

　彼の剣技にはこれといった型はない。

　世に存在する大抵の剣士は有名無名を問わず、一つの流派を精進させていくものだけれど、どの流派にも属さない彼は、己の独創性の高い剣技を磨きに磨き上げ、もう少し先の時代において、極めし「自己流」の剣技はやがて超一流であると誰しもが認めることとなるのだが、それはまた別の物語である。

　残った最後の怪異を退魔の剣によってバッサリと切り捨てた雪舟丸は、自然に流れる美しいとも言えるほど綺麗な所作でもって刀を鞘に収めたのだった。

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