刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第198話 特効

　この時点での仙花が発した「退魔の波動」の威力は、天才仙術使いである天心の熟練された「退魔の波動」に遠く及ばない。

　ではなぜ、彼女の未熟な仙術で怪異を葬ることができたのであろうか？

　それは怪異の等級が低かったということも理由の一つではあるけれど、最もたる理由は「退魔の波動」の性質よるところが大きかった。

　技の冠に「退魔」と付されているだけあって、人間や仙人などとは真逆の属性である魔族や怪異などと呼ばれる者たちには絶大な特効があったのである。

　仙花の放った「退魔の波動」は前列に居た怪異らを屠っただけにとどまらず、後続の怪異を数体まとめて葬った。

「お見事です仙花様！次は私めにお任せあれ！」

　合わせて十数体の怪異が消え、ぽっかりと空いた空間にお銀が颯爽と躍り出る。

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