orutana2020のブログ

文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 だい

 良くも悪くも自己の習慣には気をつけるべし。

 

 文字数の縮小化は飛ぶ鳥を落とせない勢いで激しく進みつつも、2年半という長い間、1日足りとも休まずに語ってきた語り部こと私でございますが、ここ二、三日は文字を打ち込む、否、語ることを完全停止しておりました。


 
 これは己の可能性を自ら潰す非常に危険行為である。

 

 何故なら、ことを成す習慣というものが存在する裏には、ことを全く成さないというものが存在する訳でして、下手をすればここまで下手なりに積み上げてきた物語が、否、この先に語ることになったであろう物語を一切語ることなく我が人生の終焉が訪れるかも知れない。

 

 そう考えると一刻も早く語ることを再開せねばと文字を起こした次第にございますれば、明日より、否、本日より文字を起こす(語る)習慣を再開すべく語らせていただいたものでございます。

 

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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第222話

 さて、物語を度々中断させてしまう私こと「語手」でございますが、本日を振り返ってみれば「時間の無駄遣い」をしたが故にこの顛末。

 人間に限らず全ての生命にとって時間というものは「有限」にございますれば、貴重な時間を無駄に使った私めを恨みつつ眠りにつく今日この頃でございます...アーメ

 

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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第221話 お銀

 くノ一であるお銀はその職業柄か、生きた人間に対して冷静に拷問や殺しなどの残虐行為をやってのけるわけだが、決して心無い冷血冷凍人間ではない。


 まぁ、この一味の中では飛び抜けて冷たくはあるけれど、それは己への厳しさに徹した結果の裏返しのようなもので、心の芯は炎のように熱く、冬の優しい湯船の如き温かさと優しさも持ち合わせているのである。

 

「これじゃぁ良い女が台無しだねぇ。あんたの家族は不運だったが、あんたは幸いにしてまだ生きてんだ。今は辛くて苦しいだろうけれど、ここを乗り越えて生きてさえいれば、あとはきっと時間の経過がこの苦しみを忘れさせてくれるってもんさねぇ...」

 

 宿屋の女のやつれ泣く姿を見兼ねてそっと手を伸ばし、女の目元の涙を指で優しくさらってやった。

 

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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第220話 遠慮

 仙花の物言いは側から聞けば傲慢そのものでしかなかったけれど、若いゆえの未熟さを彼女の容姿と清々しいほどに堂々とした振る舞いによって、言われた当の本人である希枝は全く意に介さぬ具合である。

「...承知しました」

「して、この宿にはお主しかおらぬのか?儂が遠慮なく大声を出しているにも関わらず、一向に他の者が出て来る様子がないように見受けるのだが?」

 仙花の問い掛けにやつれ顔の希枝が俯き、今にも崩れそうなほど悲しげだった彼女の表情がなお一層の悲壮感を漂わせる。

「...はい。貴方様の御推察の通りでございます。この宿には元々私めの家族、祖父母に夫、幼き男の子が共に暮らし働いておりましたが...」

 希枝はここまで話すと言葉につまり、いつの間にやら涙を溢していたのだった...

 

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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第219話 途端

 目の前に現れた、否、やっとその顔を拝むことができた宿屋の女の顔は、長い髪を結いもせず放置している状態で薄汚れ、通常時なら明らかに美顔であろう顔面は酷くやつれていた。

 

 仙花達が不始末村に足を踏みれた途端に怪異の群れが現れ襲いかかってきたことから考えれば、宿屋の女がこのような有様なのは容易に想像できるところである。

 

「...お主、名を何と申す?」

 

 仙花が女の様子を見て驚くことなく名を聞きただした。

 

「...性を葉月(はづき)、名を希枝(きえ)と申します...」

 

 女は躊躇しながらも、仙花に対し正直に答えたものである。

 

「前もって言っておくが儂はあまり礼儀を知らぬ。だからと言っては何だがお主のことを希枝と呼び捨てにさせてもらうぞ」

 

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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第217話 視線

 仙花が「おんぼろ」を絵に描いたようなのれんを右腕で払い、入り口の戸を開け中に入る。

 宿の中に入ったは良いが、受付をする人間は当然の如くおらず、物音一つしない空間は人の気配をを全く感じさせない。

 

 我慢の効かない仙花刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編が少しばかり声を張り上げる。


「宿を取りたい旅の者じゃ!誰かおらんのかのう!」

 

 すると正面に見える穴の空いた障子紙で構成されている戸がゆっくりと開いた。

 

 開いた戸の暗い隙間から、何やら警戒しているのか玄関に佇む仙花一味を品定めするような視線が感じられる。

 

「おいおいおい、儂らはなんの変哲もない単なる旅人にすぎぬぞ。そんな暗い場所に隠れておらんで表に出て姿を見せるが良いぞ」
 彼女の言葉を受けるも、戸の先にいる人は微動だにしなかった。

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第216話 宿屋

 お銀だけに限らず、体格は良いが警戒心は希薄である蓮左衛門は寝不足ではなかったものの、最近はまともな食事にありついいていなかったため大いに腹を空かせていたものである。

 

「最近はとんと肉や魚を食しておらぬゆえいまいち力が篭らんでござる。久しく集落のある場所に辿り着いたのだから是が非でも宿屋を探し当てて美味い飯が食べたいでござるなぁ...」

 

「うむ、そうじゃな。儂も美味い飯が食いたいぞ」

 

「あっしも希望するでやんすよぉ〜」

 

 などと歩きながら会話を交わしてるうちに数百メートルも歩くと、仙花一味が希望する宿屋のれんが見えた。

 

 のれんには紺色に染められた下地に白く太い文字で「宿屋」と大きく書かれている。


 村の宿屋だけに外観のボロ臭さは否めないが、今の一味に選択の余地など皆無であった。

 

「おっ!あったあった!今夜はこの宿屋に泊めてもらうとしよう」

 

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