刀姫in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編 ノ82 正反対
などと心の片隅にて切に、切に想うのですけれど、流石に本筋物語の中での枝分かれした物語を語る最中、更に別の物語を語るは愚の骨頂と云わざるを得ませぬゆえ、ここは自粛して『堕仙女』の話しを続けることと致しましょう...
「グァッグァッグァッ!老仙人!貴様の言うことはもっともだ!しかし心配には及ばぬぞ。魔界にはオレ様の全軍を預けられる優秀な右腕がいるからな。それより、仙人界に向かわせた我が息子の動きが気になってなぁ...」
と、息子と笑い声がそっくりな羅賦麻が言い終えると、こめかみに皺を寄せて恐ろしい眼光で亜孔雀を睨みつける。
「ちっ、父上...」
亜孔雀は誰が見てもすぐに分かるほど意気消沈し項垂れていた。
「雅綾爺よ」
「なんじゃ?府刹那爺」
「奴が三大魔王の羅賦麻であるということは、非常〜に残念な話しじゃが、老いぼれの儂ら二人ではちと荷が重すぎやせんかのう?」
「...確かにのう、じゃが踏ん張っておれば救援が来るんじゃなかろうか?ここは無様に逃げるより知恵を絞って奴らと戦ってみても面白かろうよ」
「カッカッカッ。相変わらず呑気な奴じゃて。じゃがそれでこそ我が好敵手にして親友というものよ。よっしゃ!命懸けでやってみるかのう」
「おうよ!相棒!血が激ってきたわい」
悪魔の親子とは正反対に、何故か盛り上がりを見せる老仙人の二人であった。
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