一輪の廃墟好き 第58話 宇宙規模
丁度良い機会だから云っておこう。
廃墟探索を趣味というか好んで行う者の奇特な心理についてであるが、単なる好奇心、怖いもの見たさ、果てはお宝発掘的な希望などなど正に十人十色である。
因みに僕の場合は廃墟探索の現場で不思議と感じてしまう、「哀愁」や「虚無感」といったなんとも云えない切なさに酔いしれてしまうのだ。
分かり易く云言うなら、否、にわかには分かり難いかも知れないけれど、普段の生活の場である喧騒な世界から改まって神社や寺へ参拝や祈願をするために赴いた際、その静けさと荘厳な状況から受け取れる心の平穏に似ているのである。
もちろん、心の落ち着いた平穏な心境を得られるのは人が少ない場合に限れるのだが...
パワースポットという言葉が一世を風靡したこともあったけれど、或いはそのような摩訶不思議な力が作用しているのかも知れない。
廃墟探索を好む心理についてもっと突き詰めて考えれば、平和でその場に居合わせることの出来た優越感も少なからず存在してる可能性もある。
廃墟探索をする上での「優越感」という言葉は、ある意味においては「不埒」だとも云えるが、いくら天才的頭脳の持ち主で美形な僕でも、宇宙規模で考えれば所詮はちっぽけな一人の人間ということで見離さず、広い心ででもって見逃して欲しいものだ...
話は変わってしまうが「宇宙規模で考える思考」というものは、万能かつ超が付くほど便利なものではないだろうか?
というか、この考えを持ち出して語るなどという暴挙ともいえる行為は、余りにも時間がかかり過ぎることが分かりきっているので今回はやめておくことにしよう...
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