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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第4話 常人

「グァグァグァ!無意味な策は充分に練れたのか?」

 亜孔雀が二人を小馬鹿にし、仙花が眉を歪めて睨みつける。

「黙れ化け物。愚策かどうかはその小汚い身でとくと味わうがいい」

 仙花が言い返すあいだに雪舟丸が心の内で魂に宿る怪異の「阿修羅」に向けて語りかける。「阿修羅、もう一度力を貸せ。今度こそ全ての力を開放し奴を倒せねば、お主も死ぬことになるぞ」

 すると雪舟丸に心の内から怪異「阿修羅」の声が届く。「わかったわかった。この期に及んで我が力を出し惜しみする気なんぞ毛頭ない。貸してやるから絶対に奴を倒せよ」。「心得た」。

 怪異との会話が途絶えた途端に雪舟丸の身体から目に見えて薄ら赤い闘気が「ボウッ!」と溢れ出す。

「有り難い。僅かだが身体の軽くなった...」

 戦闘タイプの怪異である阿修羅が気を効かせ、雪舟丸に貸した妖力に治癒効果をもたらしていたのである。

 此処で意を結した仙花が疾風の如く亜孔雀に駆け寄り間合いを詰め先手を撃つ!

「どっせいぃっ!!」

 曇りなく一切の迷いがない風鳴による下から上へ突き上げた鋭い一閃!

 常人ならばこれでほぼ間違いなく命を落としていたであろう攻撃!
 だが当然にして魔界の王子である亜孔雀は「常人」からはかけ離れていた。

 凄まじい速さの仙花の攻撃を早々に見切り、僅かな所作で刀の軌道から我が身を外しすかさず反撃に移る!

 

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