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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第14話 自信

 仙人というのは最も神に近しい存在であり、気高く大らかな心の持ち主が大半なのだが、こと雲峡に関しては、圧倒的実力もさることながら人格的にも異端な存在であった。

 人間の寿命は最長寿でも百ちょっとであるけれど、単純に仙人の寿命はその十倍以上もあり、数はそれほど多くはないが齢千年を超える途方もない超長寿の者もいる。

 有名な「三つ子の魂百まで」ということわざがある。これは「3歳頃までに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない」などとという意味で使われるが、本当に果たしてそうだろうか?

 仮に人間の人格が、身体の発達が未熟なゆえに狭い行動範囲を強いられ、人生経験なぞ皆無と言っても良いくらいの歳において、ある程度固まってしまうと言うのならば、ほぼほぼ自己の意思とは無関係であり、周りの大人が作り与える環境によって形成されることになり迷惑なことこの上ない話である。

 だからそんなことはきっとないのだろうけれど...

 ともかく、何百年もの人生を歩み経験を積んでいる筈の雲峡の人格は、年齢を重ねることは無意味と言わんばかりに幼さを感じずにはいらなれなかった。

「小娘同士で戯れてないで早う名乗れ!」

 若干の苛立ちを含めた口振りで亜孔雀が再び急かす。

「おっ、おう!我が名は即蘭眉雲峡!仙人界一の仙術の使い手にして、世界一の美貌を誇る者なり!」

 一瞬、辺り一面の空気が色を失い白みを帯びたことは云うまでもあるまい...

 

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