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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第84話 電流

 柚須灘は仙人界最強の仙女である雲峡に匹敵するほど酒には強い。

 故にたかだか一席の場で呑んだ酒に酔う彼女であろうはずも無いのだが、もはや取り繕う必要を感じていないのか「登代」という人物像はとっくに消え去っていた。

 そんな柚須灘の様子を眺める光圀が別段気を悪くすることもなく、逆に「仙人の資質あり」などとと言われたものだから小躍りしそうなほど気を良くしたものである。

「ほほぉ〜、儂に仙人になる資質があるとな。こっこっこっ、こりゃぁ愉快じゃわい。久しくなかった歓喜に儂の心臓が踊っておるわい」

 彼の心臓は既にに踊っていたようだ。

「嬉しそうで何よりですわぁ♪では、急ではありますけれど、光圀様がいずれ仙人になれるようこの柚須灘が少しばかり仙術を掛けさせていただきますわねぇ♪」

「おお!この老いぼれに仙術を拝める日が来ようとは夢にも思わなんだ。儂の覚悟はとっくに出来ておるぞ。柚須灘殿、良きに計らってくれい」

 言われた柚須灘が背筋を伸ばし光圀の頭のてっぺんに両の掌を添える。

「フフフ、頭の切れるお方で助かりますわぁ♪では遠慮なく〜...いざ!『極来転生(きょくらいてんせい)!」

「おおっ!!??」

 光国の口から震える声が漏れた。
 何故なら、一瞬にして掌の添えられた頭から足のつま先まで雷の如き電流の走った感覚があったからである。

 

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