刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第24話 変顔
「あら可愛いお顔~♪ご馳走様♪」
「ここ、この最強仙人の雲峡様を捕まえて可愛いお顔とはなんだ!」
茶化された雲峡が口にした言葉とは裏腹に、やや照れながら嬉しそうな表情を見せる。
何百年と生きている仙女に「照れる」という感情があることも驚きだが...
「そうねぇ、雲峡ちゃんの特別可愛いお顔を拝ませてもらったお礼に教えちゃおうかしら♪わたしはね、人間界に仙人になることを懇願する有能な者が居ることを知って仙人界からわざわざ赴いたのよ♪」
人差し指を立てつつ片目を瞑りウインクする柚須灘はまた一際美しい。
「ほう、お主ほどの者が時間を割いてわざわざ足を運ぶとはなぁ。其奴はよほどの人物のようだ」
「えぇそうよぉ♪人間界では身分がとても高くて魂の力が物凄く強いらしいの。良く人間界に降りるあなたならきっと小耳に挟んだことのある人物よぉ♪」
「分かった分かった、勿体ぶってないでその人物とやらの名を語ってくれ」
「フフフ♪雲峡ちゃんったら分かりやすいわぁ♪興味津々って感じね♪ん~、あんまり焦らすのも可哀想だから教えて・あ・げ・る♡」
運良く特級の美貌を持つ者は、変顔さえしなければ大抵の表情は可愛もあり美しくもみえるものだが、柚須灘ほどの者となれば変顔さえ美しく見えてしまうのではなかろうか...
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