刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第30話 美女
「ま、まぁ、今回は人助けも兼ねて悪魔退治をしたということで許してくれても良いのではないかな?柚須灘」
「フフフ、そうねぇ。これ以上雲峡ちゃんのことを責めても利点は見つかりそうにもないしぃ、許してあげるわぁ♪」
柚須灘は冷静に考えずとも、雲峡の行いを責めることに利得が無いことは始めから承知していた。ゆえに、単なる意地悪をしていただけらしく、「亜孔雀」の身柄を拘束し損じた件からあっさりと引き下がった。
そして今度は仙花の方を向き別の話しを持ち出す。
「そこの可愛子ちゃん♪わたしは貴方を一目見た時から興味深々なのだけれど...そう言えば光圀ちゃんとの関わりもあるらしいわねぇ♪お名前は?」
急な質問にも動じず仙花が応える。
「儂の名は『徳川仙花』だ!光圀は儂の父にあたる者。仙人候補というのは事実なのか?」
「『仙花』ちゃんねぇ。わたしは見ての通りの極美人な仙女よぉ♪名は『緋澱柚須灘』、文字で書けば画数の多い名前だけれどわたしはそれなりに気にいってるわぁ♪以後お見知りおきをぉ♪」
自己のことを「極美人」とすんなり言ってのける柚須灘。だが、事実上世界一の美女といっても過言ではない彼女が言っても、居合わせたすべての者が違和感を感じることはなかった。
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