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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第29話 問答

 そう、雲峡の不利となる発言をしてしまうわけにはいかぬと、柚須灘の詰問的な質問にガッチリと心構えしていた真如。彼女が己の意志に逆らいすんなりと口を割り、雲峡の不利になる真実を語ってしまう形となってしまったのは、柚須灘の仙術の一つ「問答無用の一喝」に他ならない。

 この仙術を一度発動させれば、標的から引き出したい情報を「ほぼほぼ確実」に入手することができるのである。
 だがこの術にはある欠点があった。

 それは仙術の名が「問答無用の一喝」とあるのにも関わらず、標的から情報を引き出すためには訊き出すための質問をしなければならないところにあった。

 「問答無用」と言葉を交わす行為を否定しておきながら、わざわざ質問をなさなければならないという正に矛盾した仙術なのである。

 柚須灘はこの仙術を発案し習得した際に喜び勇んで名を付けたらしいのだが、数秒後には矛盾点を自ら発見し改名しようと試みてはみたものの、己が格好良いと直感的に付けた名であり、直ぐに改名することは間違いを犯したという持念に駆られることを嫌い、そのまま改名することを放置したまま今に至っている。

 まぁ単に意地を張っただけのようだが...

 といった「いわく」付きの仙術ではあったけれど、その効果は絶大で、先に述べたように「ほぼほぼ確実」に人の口を割らすことができる優れた仙術なのであった。

 

 

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