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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第82話 至極

 正確な数字で表現するのは難解だけれど、常人の何倍も「肝っ玉」の座っている光圀の瞳孔が開く。
 
 人がある事象に遭遇し、驚きを感じたときの「驚き」には数種あるだろう。

 それは恐怖を感じたとき、強烈な痛みを感じたとき、不意を突かれたサプライズがあったときなどなどあるものだが、このときの光圀は、目の前に現れた仙女としてありのまま姿の姿となった柚須灘の途方もない美しさに驚嘆したのものである。

「こ、これは...儂のような年寄りにはどぎつい美しさじゃわい...」

 仙人界一の仙女が、仙人界一の微笑みを表す。

「天下の徳川光圀様からお褒めに預かり、この柚須灘、光栄至極にございますわぁ♪」

「まっことこの世のものとは思えん。むかし噂で聞いたことはあったが、仙女とはここまでかくも美しき存在であったのか...」

「フフフ...光圀様。貴方様に勘違いがあってはなりませぬゆえ説明をさせていただきますけれど、仙人界の全ての仙女が美しいとは限りません。『不細工』とまでは言わずとも、仙女の中にはそれなりの者もおります。この私めは至極特別な仙女だと認識くださいませ」

 柚須灘は奥気もなく自画自賛の言葉を口にするけれど、こと彼女に関しては幾ら自画自賛しようとも、相手に有無を言わさぬ説得力があったものである。

 

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