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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第85話 膝枕

 直後、凄まじい衝撃を受けた光圀の老体がふらっと傾き倒れそうになったところへ柚須灘が手を差し出した。

「光圀様っ!」

「っとと、儂としたことが...すまんすまん」

「いえいえ、やはりこの仙術は人間の老人にはかなり堪えるようですわねぇ...大丈夫にございますか?」

 仙術を掛けた当人の柚須灘が光圀の身体を心配する。

「こっこっこっ、な〜に、これしきのこと、少しだけ横になっておれば直ぐに良くなるわい...さらに仙女の膝枕付きとあらば回復もより早くなるじゃろうて」

 光圀がにわかに茶目っ気を出し冗談で言ってみたのだが、柚須灘は真に受けたのか縁側の廊下に腰かけ。

「フフフ、よろしいですわ光圀様。どうぞこちらへ」

 己の太ももを「ポン」と叩き、光圀に横になるよう促した。

 光圀はやや照れながらも廊下へ身体を倒し、柚須灘の柔らかな太ももに頭を乗せた。

 予想以上の心地良さに光圀の口から声が漏れる。

「ぉほぉ〜、こりゃぁえぇもんじゃわい。仙女に膝枕をしてもらうなんぞ。世界広しといえど、儂くらいのものじゃろうて...」

 

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