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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第87話 洞穴

 はてさて、時と場面はまたもや変り、仙花一行の物語の続きを語ることに致しましょう。

 仙花一行が山道にて盲目の剣士たる「座頭市」と遭遇し、「居眠り侍」こと「雪舟丸」との真剣勝負が勃発して決着がついた日の翌日。

 仙花一味と案内役の堕仙女である真如らは、仙花が仙女へ覚醒するため目指していた秘密の場所、松江藩にある出雲大社付近の「純真の洞穴」の入り口へと辿り着いていた。

 純真の洞穴は人を惑わす「迷いの森」の奥深くに存在しており、普通の人間ならばまず簡単には辿り着くことの出来ない場所にある。

 真如の案内が無ければ、恐らく仙花一味はこの日に辿り着くことは出来なかったであろう。

 洞穴の入り口の周囲は生い茂った樹々ばかりで昼間だというのに薄暗さすら感じる。

「仙花、この洞穴の中へは一人で行くのじゃ。儂と他の者達はこの中へ入ることはまかりならぬ」

「当然じゃな。儂が仙女になるための試練じゃからのう」

「さよう。儂は今より遥か昔、この洞穴へ入り仙女になることが出来た経験者であるのじゃが、試練を受ける者への助言なんぞは一切合切禁止されておるから何も言ってやれん。じゃが儂はお主が仙女に必ずなれると信じておるぞ」

「異彩承知した。じゃあ、皆の者達よ。チャチャっと仙女になって帰ってくるから昼飯でも食べて待っててくれ」

 仙花はそう言い残すと、家臣らの励ましの言葉を背に受、躊躇無く純真の洞穴の中へと足を踏み入れたのだった。

 

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