刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第126話 夜空
「フッフッフッ、どうじゃ儂、凄かろう?」
仙花が出現させた光球を見て呆気に取られていた真如が正気に戻り。
「...う〜む...確かに凄い...否、凄すぎてむしろ怖いくらいじゃ...」
「おっと!待て待て。これくらいで驚いて貰っては困るぞ!もう少しばかり楽しませて進ぜよう...せいっ!」
仙花が気合いの一声を上げ掌の上に浮かぶ光球を暗い夜空へ放り投げると。
「ん〜、ほほほいっ!」
光球へ向けて突き上げた右腕の人差し指をクルクル回すと、回す指の速度と同時に光球は円を描きながら回り出した。
「そい!っと!」
今度は腕を振り下ろすと、光球は腕の振りの速さと同じくして急降下し、仙花の仙術に興味を示さず肉を喰らって酒を呑み続ける居眠り侍こと、雪舟丸の目の前で急停止して空中でゆらゆらと揺れながら浮かんでいた。
これには流石の雪舟丸も少なからず興味を示したのか、酒を呑んでいた手を止めて光球をガン見する。
「ま、眩しい...仙花様、この光の球を俺の前から退けてくれ。目がおかしくなりそうだ」
どうやら雪舟丸は仙花の仙術に興味を示したわけではなく、単に邪魔だったようである...
「ふん!折角儂が覚えたての仙術をお披露目しているというのに、つまらんやつじゃ」
===============================
過去の作品はこちらにまとめてあります!
https://shouseiorutana.com
===============================