刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第138話 年齢
二人に声をかけた行商人の男は、風貌こそ「行商人」らしい格好をしてはいたものの、身体の何処かが不調なのか、今にも倒れて逝ってしまうのではないかと思われるほどに顔色が悪い。
「もちろんにございます。ところで、あなた方のお子様は女の子お一人と男の子のお一人の合わせてお二人にございますな?十歳と五歳といったところでしょうなぁ」
性別だけ取ってみれば言い当てることはさほど難しくは無いのだが、年齢までピタリと当てられた夫婦は驚かずにはいられなかった。
「行商人のお方。なぜ私どもの子の性別や人数、果ては年齢までお分かりになられたのでしょうか?」
「...長年で培った『勘』とでも言いましょうか。なんとなくではございますが分かってしまうのです」
あまり納得のいく返答ではなかったけれど、帰りを急ぐ清兵は本題である「子供の喜び物」について訊く。
「なるほどねぇ。して、いま言っていた代物はなんでございましょうや?」