刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第184話 腕前
「いやいやいや、仙花様はあっという間に強くなってしまわれたでござる。小さき頃より剣を教えていた拙者としては鼻の高いところでござるが、剣の腕前に関してはとうの昔に越されていたでござるからなぁ...」
蓮左衛門は仙花が十歳になるかならないかという時期より、光圀に剣の指南役として任ぜられ、彼女に長い間剣の稽古をつけてきたことを思い出し締まりのない顔で悦に浸っていた。
しかし彼の言った通り、仙花に剣を教え始めてからたったの3年ほどで一本を取られて以来、彼女に剣技の勝負で勝つことは二度となかったものである。
それは決して蓮左衛門が弱かったわけではなく、彼女の才能が優秀すぎたが故の結果でしかなかった。
「仙人の力を得てしまったからのう。今の儂ならかつて苦戦を強いられた『亜孔雀にすら勝てそうな気がするわい」
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