刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第208話 指導
黙って傍観していた蓮左衛門がたまらず割って入る。
「まぁまぁお銀殿。九兵衛は旅を始める前は薬師の仕事しかしてこなかった普通の平穏な人間にござるよ。我らのように武芸を習った経験も無いし喧嘩の一つもしたことの無かった男。それに比べれば今の九兵衛は必至に努力し目に見えて成長しているでござる。こいつの言う通りもう少しだけ長い目で見てやっては如何でござろうか?」
表情のずっと和らいだお銀が口を開く。
「...仙花様に次いで蓮さんもそう言うなら仕方ないかねぇ...でもしっかり強くなれなるよう九兵衛に武芸を叩き込んでおくれよ」
「よし!心得た!...九兵衛、これからはお主が強くなれるよう拙者が惜しみなく指導するでござるよ。別に隠しもしないが仙花様に武芸を教えたのは拙者でござる。実績大有りの指導者から教えてもらえるんだ。大船に乗った心持ちで頑張るでござるよ!」
蓮左衛門は高らかに笑いながら九兵衛の背中を「ドン!」と叩き押した。
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