一輪の廃墟好き 第135話 予定変更
僕は考える...
今回の場合、誰からの依頼も受けていないのだから報酬は当然望めない。だが事件に一度首を突っ込んでしまったわけだから...
時刻は今や午前11時。病院へ行くとなると移動時間などを含めれば3時間を費やしてしまう...
それにそこまで事件に踏み込めば、ある程度は犯人を絞れるところまで調査を続行しなければ、全くもってスッキリしないのが我が性分というものである。
となると...
「淀鴛さんはいつまで井伊影村に滞在する予定なんですか?」
「俺かい?...そうだなぁ、有休は週末まで取ってあるからあと二日はこの村に居るんじゃないかな。因みに「村やど」の宿泊もあと二泊の予約が残ってるし」
「...そうなんですねぇ」
淀鴛さんがまだ滞在することを確認した僕は、未桜の方を向き打診する。
「未桜、民宿の状況次第にはなるが、事件についてもうちょっと調べたい。一泊だけ延長して明日帰ろうと思うがどうだろう?」
「わたしはアパートの一人暮らしだから全然オッケーだよぉ♪気兼ねはいらないので~す♪」
重そうだった二日酔いから立ち直り、すっかり元気を取り戻した未桜は、実に朗らか笑みを見せて即答したのだった。
そこから淀鴛さんと一緒に民宿「村やど」へとんぼ返りし、一度別れの挨拶を交わした手前少しばかり気恥ずかしい気持ちもあったが、女将さんに急遽の宿泊を申し出ると、実に爽やかな笑顔でOKをいただくことができた。
そして、僕たちは淀鴛さんの自家用車に相乗りさせてもらい、被害者夫婦の遺体がある病院へと向かった...
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