刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第63話 剣道
鍔迫り合い(つばぜりあい)とは、互いに相手の打った刀を自分の刀の鍔で受け止め、押し合うこと。 転じて激しい試合のこともさす。らしいが、座頭市の独特な刀に「鍔」なるものは存在しない。
よって正当なな意味での「鍔迫り合い」は成立していないのだが、そこは広義の意味で想像していただきたいところである。
まぁそんなどうでも良いことは棚に上げておくとして、雪舟丸と座頭市の鍔迫り合いは静かにも続いていた。
剣道などでは鍔迫り合いになった場合は次のの一手が肝要であり、真剣勝負、しかも命をかけた真剣での闘いとなれば「肝要」どころではない。相手の次を読み違えれば数秒後には「死」が待っているわけでありまして、初発の抜刀をもち、互いの実力をまざまざと知ることとなった当事者の二人は、頭をフル回転させることはもちろんのこと、全身全霊をもって鍔迫り合いをする最中次なる一手を思考していた。
雪舟丸の集中力を弱めさせるのが目的か、それとも次なる一手の兆しなのかは定かではないが、手に入れた力を緩めることなく座頭市が口を開く。
「こりゃぁ驚いた。こんなに速い剣速の持ち主に出会ったのは、かつて闘ったことのある宮本殿以来か...否、あっしはこんなに速い剣速の持ち主に出会ったのは初めててごぜぇやす」
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