刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第67話 決着
鞘で激しく突かれ、激痛の走った腹部を苦しそうに押さえる座頭市。
「くっ...くくく。こ、こりゃぁどえらい突きを喰らったもんだ。一瞬あっしの身体を突き抜けたかと思いやしたぜぇ...」
「誉められても喜ぶこと無し。あんたの突きも大したものだったがなぁ。俺の腹もまだズキズキと疼く...さて、決着をつけようか...」
言い終えた雪舟丸がすぐさま居合抜きの構えを取る。
これまでの経緯からして、座頭市も無論のこと応じるかと思いきや。
「いやいや、もう勝負するまでもない。あっしの負けでさぁ...」
座頭市は意外にも刀と杖(鞘)を手放し地面へ落とした。
そして降参を示すように両の掌を雪舟丸へ向けた。
座頭市の言動に合点がいかぬ雪舟丸が微かに怪訝な表情をして問う。
「座頭市殿、まさか剣で決着をつけずして負けを認めるというのか?」
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