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文章を書く上で疑問に思った事や、調べた事を適当に掲載します

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第70話 長門

「その男は長門の国...あっしの旅路の途中、「鬼ヶ城」と呼ばれる山で山賊とやり合うところに偶然遭遇しやしてなぁ。あっしはほれこの通り、ほとんど目が見えないもんですが、山賊とやり合う男の姿が頭に鬼の如く浮かんだもんでして、剣気の圧倒的な凄さ己の手が震えるのを初めて感じやした...」

 長門の国は大化改新後に設置された山口県西部の行政区画。この国に大化以前には穴門(あなと)と阿武(あぶ)の二国があったが、穴門は後の豊浦(とよら)、美祢(みね)、厚狭(あつさ)の三郡で、阿武は阿武郡を中心に、大津(おおつ)郡を含む地域といわれている。また、穴門はミナト(水門)の意で、関門海峡をさしたものであるらしい。

「鬼、か...で、そいつの名は?」

「上の名か下の名かはわかりやせんが、近くにおった若い娘さんが『朧(おぼろ』と呼んでんおりやした」

「...朧。聞いたことの無い名だ」

「でしょうなぁ...あっしはこれでも名だたる剣士の名は一人残さず記憶しておりやすが、初めて耳した名でありやした...おっと、朧の容姿はてんでわかりやせんんので悪しからず。それとぉ、釈迦に説法かも知れやせんがぁ、万が一遭遇した折には御用心を」

「...委細承知した。『朧』か、覚えておくとしよう」

 

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