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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第72話 御殿

 かくして、山の路上にて突発的に発生した剣の達人同士の真剣勝負は、座頭市が完敗の意思表示を行い、阿良雪舟丸の勝利という結果で幕を下ろした。

 さて此処で、時を昨日に巻き戻しまして、魔界の王子である亜孔雀と仙花一味と諸々の人物が戦い終えたのち、最強仙女の雲峡はあっという間に何処へやらと立ち去り、最高の頭脳と美貌を誇る柚須灘は水戸光圀の居る西山御殿へと向かったのだった...

 西山御殿は人々の集落から離れた長閑な丘の上にあり、過ごしやすい季節な上に天気も上々であった。

 夕刻が近づき日も傾き始めた頃、年老いた水戸光圀は御殿の縁側に座り、庭師によって整えられた美しい庭をのんびりと眺めながら茶を啜っていた。

 そんな折、御殿の入り口付近から若い女の声が光圀の耳に届く。

「御免くださいませぇ」

 もちろん声の主は仙女の柚須灘である。突然仙女の姿のままで現れてはゆっくりと話すことが出来まいと、いつの間にやら人間が羽織る着物を身にまとい、髪型も一般庶民に多く見られる長髪を一本に結った姿となっていた。

 羽織る物は一般庶民のそれであるけれど、世界一とも云われる美貌が変わるわけでもなく、やはり何処からどう見ても美しい...

 光圀は柚須灘の出した一声だけで、「我が屋敷に突如として美女が訪れた」と思ったものである。

 

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