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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第123話 我慢

 こうして、仙花の口車にまんまとがっつり乗ってしまった天心は、彼女に仙術の基礎を体現させながら教えたのだった。

 

 仙術を教える最中に仙花の物覚えの早さと、仙人としての才覚を大いに感じとった彼は勢いにも乗って色々教えようと意気込んだものだったが、「もうこれくらいで良い」と彼女にあっさりと断られ、ある意味修行ともいえたやり取りは突然にして中断し、仙花は礼を言って仙女へ覚醒するために訪れた「純真の洞穴」を後にする。

 

 仙花にふられる形となった天心の心境を語るはやめておき、彼女が洞穴から出ると辺りはすっかり暗くなったとなり、彼女が洞穴より戻るのを待ち侘びていた者達が焚き火を囲み細やかな宴会を開いていた。

 

 いち早く仙花に気付いたお銀が申し訳なさそうに声をかける。

 

「...仙花様ではございませんか!洞穴にお入りになってから随分と時が過ぎてしまったゆえ、皆腹が空き退屈に我慢ならず宴会を始めてしまった次第にございます。どうかお許しくださいましぃ」

 

「いや構わぬよ。洞穴におる仙人が余程暇なのか随分と時間がかかってしもうた。逆にお主らを待たせてしまって申し訳ない」

 

 口に焼いた鶏肉を頬張ったままの蓮左衛門が仙花に勧める。

 

「さぞやお疲れのことでしょうな。ささ、こちらに座り肉を食べ酒を呑んで疲れを癒してくだされ」

 

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