刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第177話 跳躍

　などと言っているうちに仙花の剣によって切り裂かれた蛇朱喃の傷口が、あろうことかみるみるうちに塞がっていく。

　仙花の後方に構えているお銀が呟く。

「怪異であるとはいえ凄まじいほどの回復能力...」

　そう、蛇朱喃には巨大で強靭な肉体、俊敏な動きに加え強力な自己回復能力も備わっており、それは魔界の王子、亜孔雀に匹敵するほどのものだったのである。

「うむ、そのようじゃな。これは実に倒しがいがあるというもんじゃっ！？」

「ブゥオッ！！！」

　仙花がお銀に応えている間に蛇朱喃は既に攻撃を仕掛けていた！

　彼女の真横から緑色で大人の身長の半分はあろうかという蛇の尻尾が襲って来たのである。

　だが仙花は辛うじて不意の攻撃に反応し、尋常でない速さで真上に跳躍して攻撃をかわすことに成功したのだった。

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