刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第197話 天才

　蓮左衛門の頭上から両手を広げ発せられたのは薄く青みがかった空気の衝撃波、無論単なる空気の衝撃波などではなく、忍者でいうところの「チャクラ」に近い仙人力が仙花の体内から伝わり、それが怪異を砕く「退魔の波動」となって放たれた！

　彼女にこの仙術を伝承した偏屈な仙人である天心は仙術だけをとってみれば、仙人界で一二を争うほどの天才である。

　そんな彼が編み出した仙術「退魔の波動」は、100年以上もの歳月をかけやっとの思いで体得したものだった。

　仙花はそれを数時間で学び今まさに発動に成功したわけだからして、彼女の仙人として力たるや計り知れない。

「ギャッ！！？？」

　最前列にいた数体の怪異が退魔の波動の直撃を喰らい、不気味な身体が一瞬にして砕け散ったのだった。

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