刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第206話 雨雲
九兵衛はお銀の冷たい視線と言葉を受け大いに落ち込んだ。
まるで彼の頭上にだけ灰色の雨雲が現れ、どんよりとした雰囲気を隠すことなく表に浮き出している。
そんな彼を見た仙花が居た堪れなくなったのか珍しくフォローを入れる。
「ま、まぁ良いではないか。お銀も九兵衛が戦闘向きの人間であることはとうの昔に知っておろう?」
「お言葉ですが仙花様、もちろん彼が貧弱にして軟弱者でこと戦闘に関しては全くもって戦力外であることは私も承知しております。が、いざという時に自分の身一つ守れないようでは足手纏い以外の何者でもございますまいかと」
お銀の遠慮の欠片も無いが的を得ている発言に、九兵衛がどんよりとした空気をさらにどんよりさせた。
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