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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第53話 興味

 以前にも物語の中でお銀が忍者としての任務の途中、たまたま座頭市が数人の武者達と斬り合いをする場面に出会し、座頭市の人間離れした強さをまざまざと感じたものである。

 その余りにも特徴的な風貌と、鬼神の如き強さを目の当たりにしたお銀の頭から座頭市の記憶が消えよう筈もなかった。

「仙花様、彼とすれ違う際は決して相手にせず、空気と同じような扱いで素通りしておくんなまし。蓮左衞門に九兵衛も決して目を合わしたりしてくれるな。と言って彼は盲目なのだけれど...」

「分かったでやんす」

「よくは分からんがお銀の言う通りにするでござるよ」

 目視できていない蓮左衞門と九兵衛にとって、お銀の意図するところがいまいち伝わっていないようであったが、二人はとりあえず返事を打った。

「そうか、敢えてお銀が苦言を呈すのだから、あの男はかなりの危険人物ということじゃな。先日の悪魔との一件もあったからのう。本当は是非とも話し掛けたい気持ちもあったのだが...ここは『触らぬ神に祟りなし』ということにしておこう...」

「有り難く存じます」

 お銀は仙花の返事に内心ホッとしていた。
 何故なら、仙花の性格や思考から察するに、あのような風貌にして存在感のある男に興味をそそられること疑いなしと思っていたからである。

 

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