刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第214話 限界
そして仙花が女子を凝視していて自然に瞼を閉じ開けた瞬間、もはや見張り台に女子の姿は無く忽然と消えてしまった。
「...ふむ、とてつもなく素早い奴なのか、はたまた何かしらの能力なのかは分からぬが女子が一瞬で消えてしまったわい」
呟くように話す仙花の背にお銀が声をかける。
「...さようにございますか。仙花様、いずれにしてもすっかり日が暮れて辺りが暗くなっておりますゆえ、今宵はこの村の何処かで一泊することに致しましょう」
「拙者もお銀殿に賛成でござる。この村は初っ端から大量の怪異が現れる怪しさ満載でござるが、一つくらいまともな宿屋があるかも知れぬ。それに拙者の腹が限界まで減ってさっきから腹がグゥグゥ鳴っているでござるよ」
「よし!決めた!今宵はこの村で一泊することにしよう」
普通の旅人なら野宿してでもこの村を離れたいと考えるところだろうけれど、仙花一味は何の迷いもなく不始末村で一泊することを決めたのだった。
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