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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第96話 才能

 人がにらめっこでする変顔というのは不思議なもので、ある程度そういったことに抵抗のなさそうな顔をした者がしたならば、それなりに可笑しく笑ってしまうこともあるだろうが、美しく整った顔の者が変顔をした場合、少しは面白い反面、崩れてしまった顔と元の顔を比較してしまい、笑うどころか興醒めしてしまうことがある。

 今まさに、美形な顔面をもつ天心が仙花を笑かそうと必死になって変顔を繰り出しているけれど、彼女の方は「興醒め」の状態で「くすり」とも笑うことはなく、手に持つ盃の酒も微動だにしなかった。

「天心よ、悪いことは言わぬ。お主ににらめっこで人を笑かす才能は微塵もない。このまま続けても時間の無駄じゃ。まぁそれで第二の試練を乗り越えたとするなら一向に構わんがのう...」

 仙花の言葉が刺さったのか、言われた直後に天心の顔が元の美しく整った美顔に戻る。

「そ、そうか。オレににらめっこの才能は無いのか...」

 天心は心から残念だったのか、若干寂しそう表情をして俯いた。が、直ぐに顔を上げて口を開く。

「ケッケッケッ、また心を砕くような言葉を平気で言ってくれたもんだ。だが最初からこれで終わらそうなどと思ってはおらん!次はオレの仙術をもってお主を攻めてやる!これを耐え凌げば第二の試練は合格だ!」

 

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