刀姫in 世直し道中ひざくりげ 疾風怒濤編 第119話 驚愕

　「覚醒」とは、目がさめること。目をさますこと。また、意識をはっきりさせたり興奮させたりすること。迷いからさめること。迷いをさますこと。また、自分の非に気がつくこと、らしい。

　その意味からすると仙花が仙女へ覚醒するということは、表現の仕方がいまいちしっくり来ないのではなかろうか。
　
　だがしかし、現在における「覚醒」という言葉はもっと広義な意味で捉えられている。そもそも...

　と、現在における意味合いなど論じている場合ではない。

「ドドン！！！」

　天心が右腕を前方へ突き出し人差し指の先端を仙花に向け何やら掛け声を上げた。

　すると次の瞬間、仙花の身体から薄い黄色のオーラのようなものが浮かびあがる。

「おっ！？おおっ！？なっ！？なんじゃこりゃ！？得体の知れぬ力が儂の身体から溢れ出て来るぞ！？」

　彼女が洞穴に入って初めて見せる驚きの表情。

「ケッケッケッ、流石に驚いているようだがこのオレも驚いているぞ。仙人に覚醒した人間からこんなに溢れ出る仙力を拝んだのは初めてだ」

　仙花を覚醒させた仙人である天心自身が同様するほど驚愕していた。

　それほどに仙女へと覚醒した仙花に起きた現象は珍しく、否、彼の言った通り驚愕するほどのものであった。

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